妖怪大戦争

子どもの時にしか出来ない冒険があった。 ★★★★☆
[05/日]2h04 8月6日より丸の内ピカデリー2他松竹・東急系にて全国拡大公開

[製作]黒井和男
[監督]三池崇史
[脚本]三池崇史、沢村光彦、板倉剛彦
[出演]神木隆之介、宮迫博之、南果歩、成海璃子、佐野史郎、菅原文太、近藤正臣、阿部サダヲ、高橋真唯、岡村隆史
[配給]松竹
[宣伝]角川映画

今では、海外でも名の知れたミイケタカシが、「着信アリ」に続いて、角川映画に踊らされた超大作。主演は神木隆之介。その脇を菅原文太、豊川悦司らが固めるという、鉄壁の布陣。しかしそれと同様にすごいのが、この映画のもう一方の主役である妖怪を演じる顔ぶれです。近藤正臣、阿部サダヲ、竹中直人、忌野清志郎、岡村隆史など、妖怪役だけで豪華作品が一本作れそうなキャスティング。
おどろおどろしい特殊メイクに身を包んだ彼らの怪演にも注目です。

今年で10歳になるタダシは両親の離婚により、母と祖父と共に鳥取へ引っ越してきた。しかし家では最近ボケ気味の祖父に翻弄され、学校でもクラスメートになかなかなじめない。そんなある日、タダシは神社の祭で「麒麟送子」に選ばれた。
それは、世界に平和をもたらす正義の味方の役で、大天狗が守る聖剣を洞窟へと取りに行かなければならなかった。その頃日本各地では、子どもが消えたり、怪物が襲いかかってきたりする事件が発生。その黒幕は人間に恨みを持つ魔人・加藤保憲だった。タダシは、日本全国の妖怪たちと力を合わせ、世界の破滅を目論む魔人・加藤保憲率いる悪霊軍団に世紀の戦いを挑むことになる。

水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきという作家陣によるプロデュースによるファミリー・ムービー。タダシは、妖術は操れないがゲゲゲの鬼太郎の実写版のようだ。でも鬼太郎の実写版は、来年に堤監督で公開される。荒俣宏の「帝都物語」「帝都大戦」で、登場したカトウが再び登場。でもあまりにも他の登場人物が、おちゃらけキャラなので、演じるトヨエツだけ真面目に演技をしていて浮いている。

オフィシャルサイト:http://yokai-movie.com/index.html

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2005年8月8日 by p-movie.com

亡国のイージス

未来は渡さない。 ★★★★☆

[05/日]2h07 7月30日より丸の内ピカデリー1他松竹・東急系にて全国ロードショー
[製作]坂上直行 久松猛朗 千野毅彦 住田良能
[原作]福井晴敏(「亡国のイージス」講談社刊)
[監督]阪本順治
[脚本]長谷川康夫
[出演]真田広之 寺尾聰 佐藤浩市 チェ・ミンソ 勝地涼 原田芳雄 中井貴一
[配給]日本ヘラルド映画/松竹
[宣伝]日本ヘラルド映画

日本映画史上空前のスケールで製作された世界規模のスペクタクル・エンターテイメント超大作。出演は、「ラスト・サムライ」の真田広之、「半落ち」の寺尾聰、「感染」の佐藤浩市、「チャンピオン」のチェ・ミンソ、「空中庭園」の勝地涼、「KT」の原田芳雄、「陰陽師II」の中井貴一。監督は、「この世の外へクラブ進駐軍」の阪本順治。

東京湾沖で訓練航海中のイージス護衛艦〈いそかぜ〉の中で、戦後日本最大の危機が進行しつつあった。沖縄米軍基地から奪われた化学兵器〈GUSOH〉が、某国の特殊工作員によって持ち込まれたというのだ。首謀者は、対日工作員ヨンファ。先任伍長・仙石がその情報を掴んだ時、艦長はすでに命を奪われていた。仙石は、イージスシステムの経験者として艦に新たに乗り込んだ如月行が特殊工作員ではないか、と目星をつける。が直後、副長・宮津二佐から総員離艦命令が発動された。苦渋の思いで部下と共に艦を降りる仙石。意外にもヨンファと手を結び、国家に対して反旗を翻したのは、副長の宮津、その人だったのだ。やがて、宮津は無線機を手に取る。「現在、本艦の全ミサイルの照準は東京首都圏内に設定されている。その弾頭は通常に非ず」。ミサイルの弾頭には、わずか1リットルで東京を廃墟に変える威力を持った〈GUSOH〉が搭載されていた。防衛庁情報局(DAIS)内事本部長・渥美らが対策を練るが、最新鋭の防衛システムを持つ〈いそかぜ〉に隙はない。首都を人質にされながら、なす術もない政府。そんな中、仙石はたった一人で艦に舞い戻る。政府に突きつけられる宮津の要求。対日工作員ヨンファと事件の裏を知る渥美の思惑。そして、正体不明の如月とは何者なのか。やがて政府はF2戦闘機による「いそかぜ」爆撃を決定する。はたして仙石は艦攻撃の前に宮津らの謀略を阻止することができるのか。艦を守りきることができるのか。未曾有の危機の中で男たちの運命が激突する。

「ローレライ」「戦国自衛隊1549」に続く、福井晴敏原作の映画化ということで、今回も反乱もの。まるで、日本版「沈黙の戦艦」である。福井晴敏作品は、男臭い作品が多いので、ワンポイントで必ず女性が登場する。今回は、韓国の女優チェ・ミンソ 。11月下旬に「非日常的な彼女」が公開される。でもこの作品での注目は、勝地涼 。今後、ブレイクするかも。

オフィシャルサイト:http://aegis.goo.ne.jp/

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2005年8月1日 by p-movie.com

大変な結婚

こんな出会いってアリ? ★★★★★
[02/韓国]1h52 7月23日より銀座シネパトス、池袋シネマ・ロサにて“大変な”ロードショー!

[監督・脚本]チョン・フンスン
[脚本]チュ・ヘチョル
[撮影]キム・ユンス
[出演]キム・ジョンウン チョン・ジュノ ユ・ドングン ソン・ジル パク・サンウク パク・グニョン
[配給]ユナイテッド・エンタテインメント

[原題:家門の栄光 Marring the Mafia]
韓国の国民が熱狂的に支持し、年間興行成績No.1の大ヒットを記録した、お洒落でキュートなラブストーリーが、遂に日本上陸!!
視聴率57.4%を記録した「パリの恋人」で憎めない可愛らしさを披露したキム・ジョンウンと、ドラマ「LOVEサラン」「グッバイ・マイ・ラブ」と幅広い役をこなすチョン・ジュノが、奇妙な出会いから不思議な展開を迎える『大変な結婚』は、日本でも大ヒットした『ボイス』や『おばあちゃんの家』等を押さえて518万人を動員し、その年の年間興行収入第1位を記録した。

偶然に一夜を共にしてしまった見ず知らずの男(デソ)と女(ジンギョン)。しかしジンギョンは、ヤクザの大物ジャン一家の末娘だった…。妹をキズモノにされたと押しかける極悪3兄弟。だが、デソが高学歴のエリートだと知ると、逆にチャン一家の娘婿にと二人を結婚させようとし始めた。果たしてこの恋どうなるの?

この作品の面白さは、なんといっても良く練られた脚本にある。美男美女の織り成すラブストーリーに、ヤクザが絡み合うというドタバタ劇は、コメディの定番的な流れとはいえ、決して先を読ませない展開やテンポのある演出が、観る者をグングン作品に引き込ませる。

キム・ジョンウンはこの作品ではコミカルな演技は勿論、歌も披露。対するデソを演じるチョン・ジュノはこの作品で“韓国のヒュー・グラント”と呼ばれた。そして物語のキーパーソンとなるジャン3兄弟に、『初恋死守決起大会』のユ・ドングン、『浮気な家族』のソン・ジル、『ムッチマ・ファミリー』のパク・サンウクが熱演。ほかドラマ「白夜」のチン・ヒギョンや『マイ・ブラザー』のキム・へスクが出演。監督は、この作品後に『ザ・ブライド 花嫁はギャングスター』に抜擢されたチョン・フンスン。

ハリウッドにも評判が届いたこの作品、ワーナー・ブラザーズ社が50万ドルでこの「大変な結婚」のリメイク権を購入し、現在大物スターを主演に着々と製作準備中。

オフィシャルサイト:http://www.taihen-wedding.com/

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2005年7月25日 by p-movie.com

ライフ・イズ・ミラクル

どんな絶望的なときだって、生きて愛する力があればきっと奇跡はやってくる ★★★★☆
[04/仏・セルビア=モンテネグロ]2h34 7月16日よりシネスイッチ銀座ほかにて全順次ロードショー

[製作]エミール・クストリッツァ
[監督]エミール・クストリッツァ
[脚本]エミール・クストリッツァ
[出演]スラヴコ・スティマチ、ナターシャ・ソラック、ヴク・コスティッチ、ヴェスナ・トリヴァリッチ、アレクサンダー・ベルチェク
[配給]ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ
[宣伝]ギャガGシネマ×オフィスエイト

[Zibot Je Cude/Life is a miracle]
カンヌ映画祭で、審査委員長をしていた「黒猫・白猫」「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァ監督のせつなくもあたたかいラブストーリー。出演は「アンダーグラウンド」のスラヴコ・スティマチ、「ユリシーズの瞳」のヴェスナ・トリヴァリッチ、「歌っているのはだれ?」のアレクサンダー・ベルチェク。

これは、紛争下、本当に起きた出来事をもとにした物語。1992年ボスニア。村に鉄道を引くために今日ものんびり仕事にでかけていくセルビア人のルカ。そんな彼の生活も紛争の勃発で一変。息子ミロシュが徴兵に取られてしまった。悲しみながらも一人のんきに暮らすルカ。そんなある日、ルカのもとに美しいムスリム人女性、サバーハが現れた。奇妙な同居生活を送るうち彼女とルカのあいだには、いつしか愛が芽生えていく。美しい自然の中、愛を育む2人。しかし幸せな日々は長くは続かなかった。捕虜として敵国に捕らえられてしまったミロシュ帰国の交換条件が、ムスリム人捕虜であるサバーハとの交換だったのだ。ミロシュを取り戻すためには、サバーハを手放さなければならない。愛する女性か?息子か?苦渋の選択を突きつけられたルカは…。

紛争下、本当に起きた出来事をもとにした物語。戦争映画だというのに、まったく暗くないのがいい。何よりも素晴らしいのが、動物たちの演技。なかでも、失恋して自殺しようとしていつも線路に立っているロバが素晴らしい。もちろん、ルカとスリムの恋愛模様も魅力的で長さは全く感じなかった。

オフィシャルサイト:http://www.gaga.ne.jp/lifeismiracle/

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カテゴリー: ヨーロッパ | 映画レビュー

2005年7月19日 by p-movie.com

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

★★★★☆
[05/米]2h21 7月9日より日劇1ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]リック・マッカラム
[監督]ジョージ・ルーカス
[脚本]ジョージ・ルーカス
[出演]ユアン・マクレガー ヘイデン・クリステンセン ナタリー・ポートマン イアン・マクダーミド サミュエル・L・ジャクソン フランク・オズ
[配給]20世紀フォックス
[宣伝]20世紀フォックス

[STAR WARS EPISODE III REVENGE OF THE SITH:全米公開2005年5月19日]
シリーズ完結編となり、エピソード4へ続ける面白い辻褄合わせ作品。今後の壮大な長編TVシリーズへの序章となりそうな作品でもある。

クローン戦争の3年後、ジェダイの騎士団はいまだクローン兵を率いて銀河を奔走していた。分離主義者との戦闘が続いていたのである。そして邪悪なシスが1000年にも渡って企ててきた銀河系征服の陰謀が明らかになった時、共和国軍は崩壊し悪の皇帝が出現してしまう。ジェダイの英雄アナキン・スカイウォーカーはフォースのダーク・サイドに魅了され、皇帝に服従を誓う―ダース・ベイダーとして―。ジェダイは滅ぼされ、オビ=ワン・ケノービとジェダイ・マスターのヨーダは潜伏を余儀なくされる。ここに至り、銀河でたった一つの望みは、アナキンが密かに残した子孫である双子の兄妹のみとなってしまう。この兄妹がルーク・スカイウォーカーとプリンセス・レイア・オーガナとして育っていくこととなるのである。

子供でも分かるような理解しやすい作品なのだが、あまり子供には勧められない作品。福井晴敏原作のような反乱映画でもあり、ヤクザ映画のような裏切り行為が目立つ作品でもある。まるで幹部になれなかった下っ端ヤクザが、反抗を起こして皆殺しにし、のし上がってくというヤクザものの王道パターンに通じるものがある。そう考えると今まで登場してきた評議会ってフリだったのかな?

オフィシャルサイト:http://www.starwarsjapan.com/

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2005年7月11日 by p-movie.com