ジュラシック・パークIII

喰われる前に逃げろ!! ★★★★☆
[01/米] 1h33 8月4日より日本劇場ほか全国東宝洋画系全国にてロードショー

制作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
監督:ジョー・ジョンストン
脚本:ピーター・バックマン アレクサンダー・ペイン ジム・テイラー
出演:サム・ニール ウィリアム・H・メイシー ティア・レオーニ トレヴァー・モーガン
配給:UIP
宣伝:UIP

[恐竜恐怖体感ムービー:Jurassic Park III]

今年の夏休み大作は『5強』と呼ばれているが、そのラストを飾るのが公開を1週間早くして登場の「ジュラシック・パークIII」。監督は忙しいスピルバーグから、「ミクロ・キッズ」「ジュマンジ」のジョー・ジョンストンに交代。出演は、1作目に登場したグラント博士役のサム・ニールが再び登場、ほか「マグノリア」のウィリアム・H・メイシー、「天使のくれた時間」のティア・レオーニ、「シックス・センス」のトレヴァー・モーガン、出番は少ないが、同じく1作目から登場のローラ・ダーン。

古生物学者のグラント博士と助手のビリーは、大学の博物館でいつもながら恐竜の研究をしていると、そこに実業家と名乗るカービー夫妻がやって来る。恐竜たちが生息するサイトBの上空を回るツアーを計画してガイドを頼みたいと言うのだ。研究の資金援助の見返りにしぶしぶ承諾する博士。機長と副操縦士に乗務員1人を加えた7人でいざ出発。だが約束に反して機は島に着陸。本当の目的は、8週間前にパラセーリング中に島に不時着してしまった夫婦の息子の捜索だった。スピノサウルスに襲われ、早くも機と乗組員を2名失なってしまう。果たして一行は無事に島から脱出出来るのだろうか?そして行方不明の少年の消息は?

武器を持っていない彼らは、恐竜と出くわしても逃げるしかない。それも水中から空中からと一瞬たりとも気は抜けなく、恐竜自体も知能が発達している。一難去ってまた一難の展開は、アミューズメント・パークの乗り物のような臨場感。又はRPG。シンプルで上映時間も短くコンパクトで、恐竜のリアリティーは更に増している。集団で移動する恐竜やプラテノドンの飛ぶ優美な姿を見ていると不思議と嬉しくなってしまう。

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2001年8月6日 by p-movie.com

PLANET OF THE APES/猿の惑星

未知の衝撃に備えよ。 ★★★★☆
[01/米] 2h00 7月28日より日劇プラザほか全国東宝洋画系全国にてロードショー

原作:ピエール・ブール
制作:リチャード・D・ザナック
監督:ティム・バートン
脚本:ウイリアム・ブロイルス,jr.  ローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール
出演:マーク・ウォルバーグ ティム・ロス ヘレナ・ボナム=カーター エステラ・ウォーレン
配給:20世紀フォックス映画
宣伝:20世紀フォックス映画

[驚異の新世紀SF超大作:Planet of the Apes]

1968 年、SF映画史上燦然と輝く名作「猿の惑星」。4本の続編と2つのTVシリーズを生み出し、その後もリメイクの話は何度もあり数々の監督(ジェームズ・キャメロン オリバー・ストーン クリス・コロンバス マイケル・ベイ)の名前は上がり消えていったが、ついに「バッドマン」を斬新に生まれ変わらせたティム・バートンが斬新かつユニークなニュー・バージョンとして蘇らせた。脚本は「キャスト・アウェイ」のウイリアム・ブロイルス,jr.に「マイティー・ジョー」のローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール。特殊メイクはお馴染みのリック・ベイカー。出演は 「ブギー・ナイツ」のマーク・ウォルバーグ、「ファイト・クラブ」のヘレナ・ボナム=カーター、「海の上のピアニスト」のティム・ロス、「ドリヴン」のエステラ・ウォーレン、「グリーンマイル」のマイケル・クラーク・ダンカン、「デュエット」のポール・ジャマッティ、「パール・ハーバー」のケリー・ヒロユキ・タガワ。チャールトン・ヘストンが、なんと猿役で特別出演。

西暦2029年の宇宙ステーション、人類は惑星間の探察に訓練したチンパンジーを使用していた。突如、現れた磁場空間に早速偵察ポッドに載せられるチンパンジー、だがすぐに交信不通になってしまう。宇宙飛行士のレオは助けに行くが、彼も時空間に飲み込まれた。着いたところは、猿が人間を支配する惑星。レオは、人間愛護活動家のアリに買われるが一緒に捕まった人間と脱出。彼が別の星から来たと知ったアリは同行する事に。だがこの星を支配していたエイプ軍が黙っている訳がない。レオは発信機により救助を求めて移動している知らないうちに、人間の反乱軍のリーダーになっていた。

前回の「猿の惑星」と違う点は、猿がオランウータンからチンパンジー&ゴリラになっているのと、登場する人間が最初から喋れること。(これが、この作品のキーポイントになっている)リック・ベイカーの猿メイクは目元で誰だが分かる素晴らしい仕上がり(ティム・ロスは怒ってばっかりで目が血走ってるけど)。今回のオチはオリジナルには勝てなかったようだ。特にタイムパラドックスものが好きな自分としては疑問が残る。でもバートンらしい遊び心溢れていた作品で(特にチンパンジーが人間らしいシーン)楽しめる。

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2001年7月27日 by p-movie.com

千と千尋の神隠し

宮崎版「不思議の国のアリス」 ★★★★★
[01/日] 2h05 7月20日より日比谷スカラ座にて全国東宝洋画系にてロードショー

製作総指揮:徳間康快
監督:宮崎 駿
原作・脚本:宮崎 駿
声出演:柊 瑠美 入野自由 夏木マリ 菅原文太 内藤剛志 沢口靖子
音楽:久石 譲
配給:東宝
宣伝:メイジャー

[ファンタジー的寓話:Spirited Away]

「もののけ姫」で引退を決意した宮崎 駿が、とある理由から新たな出発点として撮り上げたエンターテイメント作品。声の出演は主人公・千尋に「すずらん」で主役を務めた柊 瑠美、千尋を助けるハクに「ウルトラマンガイア・時空の大決戦」の入野自由、ほか上記メンバーのほか上条恒彦、小野武彦・我修院達也。音楽はお馴染の久石 譲。

ごく普通の家庭で生まれ大切に育てられた一人っ子の荻野千尋は、引越し先の新しい家に向かう途中。父親の運転する車は、道を一つ間違えて林道へ入り、不思議な建物の前に着いた。興味範囲で千尋の父親と母親はトンネルへ入ってしまい、千尋も仕方なく着いていく。アミューズメントパークの変わり果てた姿と思った千尋の父親だったが、美味しい匂いに誘われ中へ入っていき店に並べられていた食べ物を母親と食べ始めてしまう。実はここは人間の目には決して見えない世界で、古くから棲む神様(霊々)が病気と傷を癒しに通う温泉町だった。この町の食べ物を食べた千尋の親は豚に変えられてしまう。千尋は湯屋の帳場を預かるハクという少年に助けられるが、この町で生き延びるために湯屋を支配する湯婆婆という強欲な魔女の元で働くことを言い渡される。

宮崎ワールド集大成と言うべき作品。ストーリーは分かり易いし、登場するキャラクターもユニークで、しかも今までの宮崎 駿監督作品が随所に盛り込まれていていて、全く飽きさせない。もう少し千尋が普通の軟弱な少女だというエピソードと、舞台となった温泉町の紹介をしてくれるともっと面白かったかもしれない。いつもながら久石 譲さんの音楽は素晴らしい。今年の夏休み映画は、まだ全部見てないけどこの作品がトップを制する可能性は大きい。「ラマになった王様」のレビューで、夏のファミリー・アニメ映画は「ポケモン」と「ラマ」は見逃せないと書いてあるけど、「千と千尋の神隠し」もお忘れなく。

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2001年7月21日 by p-movie.com

ラマになった王様

意地悪ばっかりしていると、ラマにされちゃうよ。 ★★★★☆
[00/米] 1h18 7月14日より渋谷東急3ほか全国東急洋画系にて夏休みロードショー

監督:マーク・ディンダル
製作:ランディ・フルマー
脚本:デビッド・レイノルズ
出演:藤原竜也 主題歌:西城秀樹
配給:ブエナ ビスタ インターナショネル ジャパン
宣伝:ムービーテレビジョン

「ライオン・キング」のスタッフが描く、わがままな王様と心優しい農夫の大冒険を描いた友情のファンタジー。脚本はディズニー作品『ムーラン』『バグズ・ライフ』『ターザン』『トイ・ストーリー2』に、正月公開の新作『アトランティス』も手掛けているデビッド・レイノルズ。監督は『リトル・マーメイド』の視覚効果スーパーバイザーや『アラジン』の効果アニメーターに、実写作品『ロケッティア』のアニメ部分の監督をしたマーク・ディンダル。

南米の険しいジャングルの彼方にある王国にクスコという若くてカッコよく大金持ちの王様がいる。だが彼はわがままで意地悪な奴だった。今日も山の上に自分の別荘を建てる為に農夫パチャの家を壊そうとしていた。だがリストラされた魔女の恨みをかって、魔法の薬を飲んだクスコ王はラマにされ城から放り出された。偶然にもジャングルで農夫パジャと遭遇したラマの王様は、城に戻り人間に戻る為に助けを求めた。

スピーディーな展開でギャグ満載だし大人でも笑える作品。上映時間は78分と短くコンパクトであっという間、もう少し見ていたい気分にさせてくれる。2回見ても「パール・ハーバー」に追いつかないもの。それに「苦労して人は成長する」とか「意地悪やワガママは愚かな事」とか「どんな時にも助け合う友達は必要」などメッセージがあり、夏のファミリー・アニメ映画で「ポケモン」と、この作品は見逃せない。

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2001年7月16日 by p-movie.com

こころの湯(SHOWER:洗澡)

中国銭湯人情映画 ★★★★☆
[99/中国] 1h32 7月7日よりシャンテシネにてロードショー

製作:ピーター・ローアー
監督:チャン・ヤン
出演:チュウ・シュイ プー・ツンシン ジャン・ウー
配給:東京テアトル/ポニーキャニオン
宣伝:メディアボックス

「スパイシー・ラブ・スープ」でデビューしたチャン・ヤン監督の2作目は日本でも馴染み深い銭湯を舞台にしたヒューマンドラマ。出演はNHKドラマ「大地の子」日本人孤児の養父役で知られるチュウ・シュイ、「青い凧」「スパイシー・ラブ・スープ」のプー・ツンシン、独占インタビューをさせてもらったジャン・ウー。

北京の下町で銭湯「清水池」を営むリュウと知的障害のある息子アミン。今日も銭湯は常連客で賑わっている。ある日、ビジネスマンの長男ターミンが突然帰郷した。アミンから届いた葉書に父が横たわる絵を見て戻ってきたのだった。元気な父の姿を見たターミンは2、3日ゆっくりすることに。だがこの間に、アミンが行方不明・台風による天窓補強・常連客のトラブルと大忙し。そしてターミンは心から楽しそうなお客さん達の顔を見て初めて父の仕事を知った。だが地域の再開発が決まり、この銭湯が取り壊されてしまう事が決定してしまう。ターミンは帰るのを先延ばしにするのだが・・・・。

大ヒットロングラン中の「山の郵便配達」同様に親子の絆を描いたタイトル通り心温まるストーリー。オープニングの近代的なシャワー室から、年に一度しか雨が降らない地方の村と、人間とは切っても切れない風呂事情満載。特に舞台となった70年代の風呂屋は、理髪室から真空壺マッサージまで完備されていて、日本とは全く違う。親子3人の演技は素晴らしいし、サブキャラの常連客もいい味を出している。日本でも山田洋次監督でリメイクしたら活けそうだけど。製作がアメリカのプロデューサーで、まず海外の映画祭で話題になって、中国でもヒットしたと言うのも面白い。弟役ジャン・ウーの独占インタビューも、ぜひ読んでください。

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2001年7月9日 by p-movie.com