『サーチャーズ2.0』アレックス・コックス監督Q&A

『レポマン』『シド・アンド・ナンシー』などのパンクな作品群で有名な
インディペンデント界の鬼才アレックス・コックスが、5年の沈黙を破って
待望の新作『サーチャーズ2.0』を発表。
日本公開を前に監督本人がマスコミ向け「Q&A」を開催した。

 
081128_searchers_01.jpgこの『サーチャーズ2.0』ときたら、ジョン・フォード監督作『捜索者』をベースに
コックス印のパンク精神の炸裂した、まさに目の覚めるような現代劇なのだ。

主人公は、かつて西部劇の撮影で精神的トラウマを受けたふたりの子役。
いまやすっかり中年になった彼らは、当時の脚本家に復讐を果たそうと
モニュメント・バレーで開催される上映会後「Q&A」へとひた走る。

一言で「復讐」と言うと、まさに血みどろ、爆発、銃撃のオンパレード・・・と
イメージしがちだが、さすがはアレックス・コックス、ここでは「9.11」以降のアメリカ史を
総括するかのような、ぶっ飛んだ”オフビート・ロードムービー”が繰り広げられていく。

何よりこの映画、B級映画の帝王ロジャー・コーマンの協力の下、
アレックス・コックスが自身のホームページで製作費を募ったという文字通りの
「2.0」な作りなのだから驚きだ。

 
081128_searchers_02.jpgこのような制作スタイルを敷いた背景には、過去作品の影響でハリウッドから
製作依頼が全く来なくなった現状があるらしいのだが・・・
本人はそれを痛手とも思っていないようで、

「新聞か何かで、ネット上で資金集めをしている人の記事を見て、
自分でもやってみようと思いたちました。幸いロジャー・コーマンという
ビッグネームの協力も得られて、うまく進めることができました」

と朗らかに振り返って見せる。

そして、イラク戦争、石油、資本主義、ブッシュ政権といったテーマを果敢に
盛り込んでいく最強の批評精神についてはこう真理を突いた。

「自分が外国人(英国人)であること、
そしてこの映画がコメディであることが非常にうまく機能したと思う。
コメディであれば遠慮せずに何でもモノが言えますからね(笑)。
つまり、言いたいことがあれば、それを言えるような”環境作り”をするということ。
これこそ表現者にとっていちばん重要なんです!」

なるほど。さすがインディペンデント界の雄。胸に突き刺さるコメントだ。

だが、これほど反骨精神にあふれた人でも
「映画製作において自身を突き動かすものは?」との質問には、こう口を開いた。

「映画をつくるのが、ただ大好きなだけです。たとえお金にはならなくてもいい。
私はきっとそういう人間に生まれついてしまったんです。どんな苦難の中にあっても、
同じスタッフや支援してくれる友人たちと一緒に仕事をしていくうちに、映画のことが
どんどん理解できていく。それでまた、なおいっそう映画のことが好きになっていく・・・」

まるで「結婚」や「夫婦」について語っているかのようなコメントではないか!
あふれんばかりの「愛」が伝わってくる一幕だった。

こんな鬼才監督のとびきりの映画愛に満ちた最新作『サーチャーズ2.0』、
とにかく必見です。

当パーフェクトムービーガイドでは、この後コックス氏に直撃インタビューを敢行。
その模様も近日レポートしますので、どうぞお楽しみに!

 
081128_searchers_03.jpg映画「サーチャーズ2.0」オフィシャルサイト
http://www.uplink.co.jp/searchers/
まだ、死ねない。奴らを捜し出すまでは・・・
2009年1月10日(土)より、
渋谷アップリンクX、吉祥寺バウスシアターほか全国順次ロードショー
(C) 2007 COWBOY OUTFIT, LLC PRODUCTION

【映画ライター】牛津厚信

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2008年11月28日 by p-movie.com

『私のマーロンとブランド』単独インタビュー

10月26日にすべての日程を終了した第21回東京国際映画祭。
その閉会式で「最優秀アジア映画賞」を受賞したのはクルド系トルコ人、
フセイン・カラベイ監督による『私のマーロンとブランド』でした。

081120_karabey_01.jpgすでに複数の映画祭で受賞を重ねてきた本作は、
トルコ・インディペンデント界が生み出した鮮烈な一作であり、
イラク戦争によって引き裂かれた男女の姿を通して、現代に生きる人々の
先入観や無理解といった問題に大きく切り込んだ、実に勇気ある力作です。

閉会式前日、幸運にもフセイン・カラベイ監督にインタビューすることができました。
はたして彼の口からどんな言葉が語られたのでしょうか。

<あらすじ>
とある映画の撮影現場。
イラク版「スーパーマン」の主演として知られるクルド人(中年)俳優ハマ・アリと、
イスタンブール出身の(ふとっちょ)女優アイチャが恋に落ちた。撮影が終わり、
それぞれの祖国に帰っていくふたり。離ればなれになっても電話やビデオレター、
手紙などで愛を確かめ合う期間が続くも、そんなさなか、アメリカによる容赦ない
イラク攻撃が幕を開ける。繋がらなくなる電話。届かなくなる手紙。
テレビでは空爆映像がリアルタイムで流れているのに、ふたりの実際の距離は、
いま、こんなにも遠い。いつしかアイチャは我慢の限界に達する。
もうジッとしてはいられない。彼女はハマ・アリの住むイラク北部を目指して
命がけの危険な旅に踏み出していく・・・。

◆それはフィクションであり、ドキュメンタリーでもある

---この映画は実話をベースにしていて、主役をはじめその当事者たちが
自分自身を演じているそうですね。そのせいか、主人公アイチャさんの旅は
ドキュメンタリーじゃないかと見間違うほどの緊迫感があります。

【カラベイ/監督】
その通りです。すべて彼ら自身が演じています。
私が思うに、ドキュメンタリー作品というものは、ある意味フィクションよりも
フィクショナルである場合があります。逆にフィクションの場合でも、方法によっては
よりリアルに構築していくことが可能です。重要なのは、どういうやり方で、
何を描くかと言うことです。その境目を「こうだ!」と決めてしまうと物語の
可能性を狭めてしまう。私は今回、その中間域を目指しました。
ちょうど「ドキュ・ドラマ」と呼べるのかもしれません。

---本作は主演女優のアイチャさんにとって「苦難の再現」ということになります。
彼女への出演依頼は大変だったのでは?

【カラベイ/監督】
私は映画の世界に入る前、しばらく演技の勉強をしていました。
そこで気づいたことですが、そもそも俳優という職業は本来の自分そのままの役柄を
演じられることなど稀のようです。その意味で、演技中の俳優は常にその内側に
“矛盾”や”葛藤”を抱えた存在といえるでしょう。だからこそ私はアイチャにこう話を
持ちかけました。「あなたはこれまでいろんな役柄を演じてきたよね?
だったら・・・自分自身を演じるのはどう?」。すると彼女は少し考えて
「ちょっと怖いけれど・・・やってみる価値はあるわ」と答えてくれました。

---なるほど、彼女はプロフェッショナルだからこそ、「自分自身を演じる」という
究極の選択肢を受け入れたわけですね。

【カラベイ/監督】
そのとおりです。そしてこれは後から知ったことですが、どうやら彼女も自分の物語を
誰かに語りたいと思っていたようです。そのうえ、彼女は単に演技だけではなくて、
私と一緒にこの映画の脚本を書き上げてくれました。この勇気ある決断の結果、
彼女は現在までに世界の映画祭で3つの賞を受賞しているんですよ。

◆トルコに生きるクルド人

---アイチャは旅の途中でたくさんのクルド人と遭遇します。この映画で
「クルド」は、重要なテーマになっていますね。

【カラベイ/監督】
トルコではいま、移民や少数民族が暴行に逢う事件が頻繁に見られます。
私はクルド系のトルコ人なのですが、こういう状況が深刻化すると、たとえば
テレビドラマなどでもクルド人に対してステレオタイプの描かれ方が進んでいきます。
トルコ語が下手である、頭が悪い、テロリスト、殺人者・・・といった具合に。
多くのクルド人と出逢うアイチャの目線を通して、そうした偏りのある見方をなんとか
打ち砕きたいと想いました。これは私にとってとても大事な課題です。

---それは世界が直面している課題でもあります。

【カラベイ/監督】
そうですね。人々は「知らない」からこそ、たやすく嫌うことも、憎むことも可能になる。
逆にその人を少しでも知っていれば、嫌ったり憎んだりといったことから距離を
置くはずです。人々に関する正確な知識や情報が不足しているからこそ、人間同士の
深刻な対立が生じてしまうのだと思うのです。


081120_karabey_02.jpg映画「私のマーロンとブランド」
(英題”My Marlon and Brando”原題”Gitmek”)

<監督・脚本>
フセイン・カラベイ

<キャスト>
アイチャ・ダムガシュ
ハマ・アリ・カン

映画「私のマーロンとブランド」オフィシャルサイト
http://www.insomnia-sales.com/pro/fiche_pro.php?ID_Film=144
copyright © all rights reserved – INSOMNIA World Sales

【映画ライター】牛津厚信

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2008年11月20日 by p-movie.com

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』 主題歌決定!!

株式会社ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルより2009年1月21日に
リリース予定の、フランツ・フェルディナンドの3作目となるニュー・アルバム
『TONIGHT:FRANZ FERDINAND』収録の新曲が、2009年1月10日
全国公開予定の映画、『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』の
主題歌に決定いたしました!!

081119_jaguar_sub01.jpgフランツ・フェルディナンドのサード・アルバムのタイトルは、
『TONIGHT:FRANZFERDINAND』で、バンド・メンバーとダン・ケアリーの
共同プロデュース。日本国内で23万枚のセールスを記録した前作
『ユー・クッド・ハヴ・イット・ソー・マッチ・ベター』以来3年振りの
ニュー・アルバムとなります。

081119_jaguar_sub02.jpg◆フランツ・フェルディナンド:ショート・バイオグラフィー

2004年、あまたのレコード会社による熾烈な争奪戦を経て、
彗星の如く登場した4人組。
世界の音楽地図を瞬く間に塗り替え、「フランツ以降」と呼ばれるまでの現象を
巻き起こした2000年代UKバンド・ブームの代表格。
英国3大音楽賞を、新人として史上初めて同時に獲得し、同年のグラミー賞も受賞。
「ダンスとロックの垣根を取り払った」といわれる個性的なサウンドに加え、
ビジュアル、ファッションが三位一体となった魅力で音楽ファンの心をつかんだ。
日本では1stが18万枚、2ndが23万枚と、着実にファン層を拡げて
セールスを伸ばしている2000年代以降の稀有なROCKバンド。
2005年にはSONY WALKMANのCMソング/キャラクターにも抜擢された。
バンド名の由来は、第一次世界大戦のキッカケとなったサラエボ事件で暗殺された
フランツ・フェルディナンド大公から。

http://www.sonymusic.co.jp/franz/

081119_jaguar_sub03.jpg☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』
同時上映 : 『エト』

2009年1/1(祝・元旦)より TOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行公開!
1/10(土)より TOHOシネマズ系にて全国ロードショー

081119_jaguar_main.jpg◆原作:
 うすた京介 『ピューと吹く!ジャガー』 (集英社「週刊少年ジャンプ」連載)

◆監督・脚本・キャラクターデザイン:
 FROGMAN (蛙男商会)

◆声の出演:
 藤原啓治、金丸淳一  真木よう子、板東英二、伊武雅刀

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』
2009年1/1(祝・元旦)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行公開!
2009年1/10(土)より TOHOシネマズ系にて全国ロードショー
オフィシャルブログ:http://www.pyu-to.com/
配給:DLE
(C)2009 『ピューと吹く!ジャガー』 FLASH MOVIE製作委員会

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』 真木よう子アフレコ取材

2009年1/1(祝・元旦)より TOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行公開が
決定致しました、「週刊少年ジャンプ」連載中の大人気ギャクマンガ
『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』につきまして、
本作で劇場公開アニメでは初となる声優デビューを果たす、
真木よう子さん(女優)のアフレコ風景取材を行いました。

081115_jaguar_maki01.jpg昨年公開された実写版に続き、
コミックス累計発行部数700万部を誇る大人気ギャグマンガ、
うすた京介『ピューと吹く!ジャガー』(「週刊少年ジャンプ」にて連載中)が
今度は長編アニメとして劇場公開されます。
監督を務めるのは、『秘密結社 鷹の爪』の大ヒットも記憶に新しい
Flashアニメ界のトップランナーFROGMAN(蛙男商会)。

伝説の笛を求めてパラレルワールドに迷い込む、
ジャガージュン市とふえ科のメンバー。

FROGMANによるオリジナル脚本は、原作の世界観そのままに、
「友情」「勇気」をテーマにした”ジャンプらしい”王道ストーリー!
もちろん抱腹絶倒のギャグ満載です。

真木よう子さんが声優を務めるのはパラレルワールドからやってきた、
キャサリン・アルト王女役です。

真木よう子さんのアフレコ風景の取材後、原作者のうすた京介さんと
監督のFROGMANさんを交え、囲み取材を開始。
真木さんがうすたさんの原作の大ファンということもあり、
終始、笑いの絶えない取材となりました。

081115_jaguar_maki02.jpgQ.今回、コラボレーションした感想をお願いします

FROGMAN:
うすたさんとはOVAでも『ピューと吹くジャガー』をやらせていただいて、
去年から引き続きだったんですが、今回はシナリオもオリジナルだったので、
ジャガーさんらしい笑いを意識しつつ、映画のスケール感を出さないと
いけないので、難しかったです。
あらためて作ってみて、うすたさんの才能はすごいなと思いました。

うすた京介:
いえいえ(笑)
去年同様にFROGMANさんに辛いところは丸投げで、
おいしいところだけ持っていった形なんですけど(笑)
最初にお会いしてイメージをお伝えして、あとは作っていただいて…。
しかも真木さんとも一緒に仕事ができて、楽しませてもらいました。

真木よう子:
最初は不安だったんですけど、FROGMANさんがとっても優しい方だったので、
楽しく演じることができました。

Q.アフレコは難しかったですか?

真木よう子:
難しかったです。アニメの声優は2回目なんですけど、
今回の声優は特殊?(FROGMANさんに問いかける)

FROGMAN:
そうですね。
うちのアニメは、アニメ業界ではアニメじゃないと言われているので(笑)

真木よう子:
あまりキャラクターが動かないので…(一同爆笑)
いえ、それが悪いわけじゃなくて(笑)
どういう風に感情を出せばいいのか、抑揚をつければいいのか、
最初は悩みました。でも感情を抑えて、柔らかい印象で演じればいいんだと
気づいてからは、楽しめました。

Q.うすたさんも、難しかったですか?
  (騎士役として一言だけアフレコに参加)

うすた京介:
難しかったですね。

FROGMAN:
ノリノリだったじゃないですか!(笑)

うすた京介:
感情をどのくらい入れたらいいのかわからないじゃないですか。
役の人生まで考えないといけないので(大笑)
現場で突然振られたわりには、役作りをしました。

FROGMAN:
今回、真木さんに出てもらえるとは思わなかったので、ビックリしたんですが、
真木さんは原作の大ファンということで、世界観がわかっていたようでした。
真木さんの王女役は、唯一マジメでシリアスで、それでいてボケるところはボケる
という、難しい役なので、つかむのが大変だろうなと思いました。
僕もあまり演出など細かいことは言わない方なので。
でもイメージ通りに演じてくれて良かったです。

Q.真木さんは、この役をオファーされた時に
  
どう思いましたか?

真木よう子:
かなり驚きました。絶対にやりたいと(笑)
セリフで「ジャガー」とか「ニャンピョウ」とか、自分の声で言えることが嬉しかったです。

Q.お気に入りのシーンはありますか?

真木よう子:
いろいろありますが、王女がジャガーの裸を見て、赤くなってなんとも言えない
顔をするシーンは特に好きです。

FROGMAN:
やっぱりクライマックスですかね。
王女がみんなと和解して、感極まってぐっとくるところがいい。

Q.やはり原作があるものをオリジナル脚本で
  映像化するのは大変でしたか?

FROGMAN:
大変でしたね。
原作もそうですが、原作のファンの方が持っている世界観を壊してはダメですから。
でも、蛙男商会で作るならFROGMANテイストも出さないといけないし、
シナリオを何度も直して、どうしよう、どうしようと試行錯誤をしました。

うすた京介:
僕はFROGMANさんの作品が好きだったので、そちらの作風でやってください
という感じだったんですけど(笑)
とは言っても、やっぱり見ている人はどうなのかなというのもありますからね。
でも、バランスがとれていると思いました。シナリオも完璧でしたし。
FROGMANさんの作品と、僕の作品は似ている空気があったので、
フラッシュの気の抜けた感じも(笑)、いい具合になってますね。

真木よう子:
私は好きな漫画が映画化されるのは、どちらかと言えば嫌なタイプなんですが(笑)、
今回のジャガーさんはファンの方が観ても楽しんでもらえると思います。

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『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』
同時上映 : 『エト』

2009年1/1(祝・元旦)より TOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行公開!
1/10(土)より TOHOシネマズ系にて全国ロードショー

081115_jaguar_main.jpg◆原作:
 うすた京介 『ピューと吹く!ジャガー』 (集英社「週刊少年ジャンプ」連載)

◆監督・脚本・キャラクターデザイン:
 FROGMAN (蛙男商会)

◆声の出演:
 藤原啓治、金丸淳一  真木よう子、板東英二、伊武雅刀

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』
2009年1/1(祝・元旦)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行公開!
2009年1/10(土)より TOHOシネマズ系にて全国ロードショー
オフィシャルブログ:http://www.pyu-to.com/
配給:DLE
(C)2009 『ピューと吹く!ジャガー』 FLASH MOVIE製作委員会

『ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日』 オフィシャルインタビュー

081112_jyojia_01.jpg今は16歳になったジョージア・グルームは、2年前、絶賛された”London To Brighton”で強い印象を残した。ノッティンガムを根拠地とする女優は、今度は、とても違うタイプの映画『ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日』に戻ってきた。
 
081112_jyojia_02.jpg彼女は主演のジョージア・ニコルソンに扮する。ジョージアは、ルイーズ・レニソンによる人気のシリーズ小説の主人公で、親友のエース・ギャングたちと共に、セックス・シンボルのロビー(アーロン・ジョンソン)の気をひくという成功しそうにない野望をかなえ、やっかいなローティーン時代を乗り切っていく。映画の監督は、ヒットした『ベッカムに恋して』以来初めて、ティーンのテーマに戻ったグリンダ・チャーダである。

081112_jyojia_03.jpg☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆

◆映画に出演する前から、原作の本のことは知っていましたか?

「本のことは知っていました。1冊は読みましたが、でもそれはシリーズの途中の本でした。キャスティングの知らせが来て、原作の本があれば、私はいつでも読むことにしています。というのは、台本の一部しか渡されないことがあるからです。一冊目の本を読んで、とてもおもしろいと思いました。2冊め以降は読みませんでした。早い時期に読んでしまうのは危険だからです。彼女がどんな人なのか知りたくなかったんです。ただ、本では彼女がどんな人か、基礎を知りたいだけでした。撮影が終わってから、シリーズを全部読みましたが、とてもおもしろかったです。次の新作に期待しています。」

◆ジョージア・ニコルソンの経験は、なんらかの形であなた自身の経験を反映していますか?

「あの話は、実際は、ルイーズ・レニソンの生活に基づいているんだと思います。かなり自叙伝的な内容ですから。ちっちゃな水着やキスと抱擁の話ばかりではなくて、多くは、彼女の生活が書かれています。彼女の意見はとてもおもしろくて、全面的に共感できます。あの本を読んだ男の子たちでも共感すると思います。彼女が考えることは、男の子のことだけではなく、両親の話もあるので、”ほんとうにその通りだ”と思います。」

◆映画でのジョージアと友達の関係は、とても本物らしく見えますが、彼女たちとは以前から知り合いでしたか?

「エレンを演じるマンジーヴン・グルゥワルのことは、7歳のときから知っています。私の母が彼女に演技を教えているんです。私たちは一緒に演技を始めたような感じで、彼女は家族の一員のようなもので、それはステキなことです。それに、ジャス役のエレノア・トムリンソンとはとても仲良くなりました。彼女とよく一緒に過ごしました。私たちはみんな気が合いました。ロジー役のジョージア・ヘンショーも、仲良しでした。最初の2週間のリハーサルを皆でずっと一緒に過ごしたので、それが終わる頃には、とういか、撮影が始まる頃までには、私たちはとても仲良くなっていました。女の子たちが、ただの女の子として付き合いました。」

◆映画の出演者にはたくさんジョージアがいましたが、それで混乱が起きたことはありましたか?

「大勢のスタッフとキャストがいたので、人を呼ぶときには、役柄の名前を使っていました。それで、私はどちらにしろジョージアでした。」

◆あなたは”This Is England”ではシェーン・メドウズと、”London To Brighton”ではポール・アンドリューと組みましたが、今回は変わって、女性監督との仕事はどうでしたか?

「良かったです。というのは、女性監督であることで、女性的特質の強い感覚を与えるからです。スタッフはたいてい男性中心ですが、グリンダは強い個性の持ち主で、とてもおもしろい人です。彼女は、私たちが子供だと分かってくれていたところが良かったと思います。私もアーロンやエレノア、ほかにもたくさんの人が映画出演の経験があるので、彼女は私たちを大人扱いしてくれましたが、誰かが列を乱したり、後押しが必要だったりした時には、自分が子供扱いされたと感じさせないような形で、彼女は手を貸してくれました。私たちは一緒に仕事をする相手としては大変だったでしょうが、グリンダはボスであると同時に、友達でした。」

◆アーロンと大事なキス・シーンをする前、ランチに何を食べましたか?

チキン・カレーにドーナッツ、チョコレートです。私たちはランチを食べに行って、同じものを食べました。一人が魚にするとかではなくて、二人ともチキン・カレーにしました。とてもおいしいカレーで、料理の仕出し屋さんもよかったです。二人とも<キス・シーンでは>急いでいて、ちょっとおもしろかったです。

◆映画の競い合うところでは、ちょっと『ミーン・ガールズ』のような特定のタイプのアメリカ映画を思い出しましたが?

「私は『ミーン・ガールズ』が大好きです。あれはとても典型的なアメリカ映画ですばらしいです。ああいう言葉使いでとても排他的ですが、そういう言葉は実際に存在することはみんな、分かっています。『ミーン・ガールズ』の内容はなにもかも人気になりましたが、実際に、意地の悪い女の子たちはいますし、美術おたくや、ダサイ子もいるので人気になったんだと思います。そういうリアルさは、あの映画の良いところだと思います。ちょっとバカげていますが、でも、あれはたぶん、アメリカのティーン映画としてベストだと思います。」

◆でも、イギリス映画には匹敵するような適当な映画がありませんでしたね?

「そうですね。『ジョージアの日記』の良いところは、家族が親しみやすいところです。映画には全般に学ぶべきメッセージがあります。この映画は女の子が男の子を手にする話ではなくて、人生のガイドのようなものです。本は、多くの女の子にとってまさにガイドとなっています。これは、ティーンエージャーでいることの浮き沈みに対する簡単なガイド本のようなものです。ティーンエージャーというのは人生で一番はっきりした時期ではありませんから。この映画のよいところは、これがイギリスのもので、アメリカではないところです。ただし、グリンダが言っているようにティーンエージャーはどこでも同じなので、アメリカの女の子たちもこの映画を見てくれて、アメリカでもうまくいくでしょう。」

◆映画はセックスでなくロマンスを描いていますが、これは、ジョージアが恋をするという考えに夢中になっているからでしょうか?

「そういうことだと思います。とても無邪気なところがいいです。そういうロマンスが生まれるのは、ティーンの後半段階ではなく、始まりの段階です。彼女が若い女性になっていき、そういうことを初めて経験するところが描かれています。プールで彼女がついに思い通りにするところは、映画の魅力的なところだと思います。ロビーは結局キスをしたんだから関係ないと言うにしても、彼女は彼を長いこと待ち続けました。ああなったことはステキだし、キュートだと思います。無