歓喜の歌

立川志の輔の新作落語を「東京タワー オカンとボクと時々、オトン」の松岡錠司監督が映画化。

出演は、小林薫、安田成美、伊藤淳史、由紀さおり、浅田美代子、田中哲司、藤田弓子、根岸季衣、光石研、でんでん、筒井道隆。

暮れも押し詰まった12月30日。小さな町を揺るがす大事件は1本の電話から始まった。
「はい、みたま文化会館です。明日のコンサート予約のご確認ですね。『みたま町コーラスガールズ』さん…大丈夫ですよ。お待ちしてます」。
いかにも調子よく応えるのは、文化会館の飯塚主任。ところがその直後、とんでもない事態が発覚する。
「みたまレディースコーラス」と「みたま町コーラスガールズ」。よく似たグループ名を取り違えた彼は、なんと大晦日の会場をダブルブッキングしていたのだ!
最初は「何とかなるだろ、どうせオバサンの暇つぶしだ」とタカを括っていたものの、この日のために1年間頑張ってきた”ママさん”たちは、双方一歩も譲らない。
人生テキトーにやりすごしてきた中年公務員は、合唱にかける彼女たちの情熱に右往左往するばかり。さらには夫婦の危機から溜めた飲み屋の勘定まで、日ごろのツケが一気にまわってきて…。
果たして飯塚主任の運命は?懸命に練習を重ねてきた”ママさん”たちの「歓喜の歌」は、大晦日の町に響きわたるのか!?
ごく普通の人たちが起こす、ささやかな日常の奇跡がいま起ころうとしていた。

製作したのは、シネカノン。そう、懐かしい「のど自慢」の路線だ。主演は小林薫だけど、印象に残るのは6年振りにスクリーン復帰となる安田成美。いまだに、歳を感じさせなくとても可愛い。
でもこれ、設定が師走の30日と31日の2日間なんだから、やっぱり正月映画としてやらなくちゃ。何のために撮影を夏にやったのか、意味が分からないよ。それとエンドロールの”あの鐘を鳴らすのはあなた”は、和田アキ子ではなくて何故にクレイジーケンバンドなの?

112分 2月2日よりシネカノン有楽町1丁目ほかにて公開

【映画ライター】気まぐれ飛行船

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2008年2月13日 by p-movie.com

陰日向に咲く

ご存知、劇団ひとり原作のベストセラー小説の映画化。
東京で繰り広げられる7人の登場人物による3つの物語が交差する群像劇。

出演は、岡田准一、宮崎あおい(一人二役)、伊藤淳史、平山あや、緒川たまき、塚本高史、西田敏行、三浦友和。監督は、「そのとき彼によろしく」の平川雄一朗。

夏。一週間後に台風が上陸する東京では、ダメダメな人々が陰日向の奮闘をしていた。パチンコで借金地獄のシンヤはオレオレ詐欺を働くが、相手の老婆と親しくなってしまいカネを引き出せない。
母親の鳴子の思い出探しをする寿子は、売れない芸人の雷太に恋した若い頃の母が働いていたストリップ劇場へ。
ゆうすけが一途に応援する25歳のアイドル、みゃーこに突然ブレイクの機会が訪れ、二人の関係に変化が…。
エリートサラリーマンのリュウタロウは、大ボラ吹きのホームレス・モーゼに憧れ、果てはダンボール生活を始める。
遂に台風が上陸すると、一見無関係な陰日向の人々の人生が重なり合って奇跡の瞬間が訪れる。その先には、思わぬドラマが待っていた。

実は以前に開催されたこの作品の記者会見に行っていたのだが、その時にキャストがとてもストーリーを語りずらそうに話していたのを覚えている。それは、群像劇の醍醐味である繋がり方がネタバレになるからなのだが、これがとても上手く重なっていた。そして西田敏行が、何度も伊藤淳史との猪八戒繋がりを強調していたのにも納得した。
ラストのクライマックスに向かっての重なりり方の上手さと、涙腺ポイントがミックスされているので、どこかのポイントで泣けると思う。自分は、宮崎あおいの一人二役のお母さんのエピソードで泣けた(多分、ここで泣く人は少ないと思うけど)。
129分 1月26日より有楽座ほかにて全国一斉公開
【映画ライター】気まぐれ飛行船
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2008年2月13日 by p-movie.com

ちーちゃんは悠久の向こう

日日日(あきら)の「ちーちゃんは悠久の向こう」(新風舎文庫刊)を映画化。

出演は、「渋谷区円山町」の仲里依紗、「バッテリー」の林遣都、高橋由真、波瑠、奥村知史、小野まりえ、永山菜々、飛田光里、中山祐一朗、霧島れいか、堀部圭亮、西田尚美。監督は、兼重淳。

ちーちゃんとモンちゃんは仲の良い幼馴染み。高校生になっても、相変わらずいつも一緒だ。昔からオカルト好きのちーちゃんに引っ張られ、共に学園七不思議を探るモンちゃんは、ちーちゃんの笑顔を見ているだけで幸せになる。
授業中にこっそり交す秘密の目配せ。2人だけの屋上ランチで食べる、ちーちゃん手作りのお弁当。ちーちゃんだけに打ち明ける家族の問題。こんな穏やかな毎日が永遠に続くようにと願っていた。しかし、そんな二人の周辺で次第に不可思議な出来事が起こり始める。
モンちゃんが抱える秘密、そして二人を待っていた予想外の結末とは―。

シアターN渋谷はホラー映画ばかりやっている映画館なので、てっきりオカルト映画だと思って見ていたのだが、なんかチグハグな展開だなと思っていたところに強烈なオチを時間差で2発食らった。無警戒だったので、完全にやられた。
こういう出会いがあるから、映画鑑賞は止められない。

94分 1月19日よりシアターN渋谷にて公開

【映画ライター】気まぐれ飛行船

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2008年2月13日 by p-movie.com

ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE

前代未聞のふえ青春ギャグムービー!

オススメ度:-
2008年/日本/カラー/99分/実写化(一部アニメ化)

<STORY>

高校卒業を間近にひかえた酒留清彦。彼は進学も就職も蹴ってミュージシャンになる決心をする。
ロックな生活を志した彼は、ギター1本でオーディションに参加することに。会場では数々のバンドが集まる中、たてぶえを持った一人の男が暴れているのが目に入る。これが、清彦とジャガージュン市の初めての出会いだった…。
オーディションの結果、清彦はある芸能人養成所に籍を置くことになる。清彦がやる気になったのも束の間、養成所の男・三太夫セガールに連れられて来たのは、なんと「ふえ科」だった。当然ギター科に入ったつもりだった清彦は驚愕。しかし契約書をよく見ると、そこには「ふえ科入学希望」の小さい文字が。さらに教室の中で清彦を待っていたのは、オーディションで出会ったあの男・ジャガーだった…。
半ば詐欺に近いやり方でふえ科に入れられた清彦は、ジャガーに「ピヨ彦」と名付けられまさに踏んだり蹴ったり。ふえ科でピヨ彦は、謎のヒップホップ忍者・ハマーや、謎のアイドル志望の女の子・高菜という個性的な人間と出会いながらも、いつしかふえ科に馴染んでしまう。ピヨ彦…いや、清彦の目指したロックな生活はどこへ…。
しかしまもなく、養成所の赤字の原因であるふえ科は三太夫セガールから廃止の通告を受ける。彼が言うには「ここ数年ふえ科から支払われていない授業料を払えば存続させる」ということらしいが…、その額はなんと数千万円!ジャガー以外の3人はそれほどふえにこだわりはなかったが、セガールは「ふえ科のメンバーは今後音楽業界では生きていけなくする」と言っているらしい。かくして4人は、お金を工面すべくある作戦を実行することに…。
その頃とある店の奥では、貴重なふえを手に入れようと企む怪しい人物が微笑んでいた…。
(公式サイトより)

<REVIEW>

週刊少年ジャンプに連載中のうすた京介原作のギャグマンガを実写(一部アニメ)化したとてもクダラナイ作品。
出演は、要潤、大村学、高橋真唯、小木博明、なぎら健壱、酒井敏也、板尾創路、カルーセル麻紀。
ギタリストを目指す酒留清彦は、ジャガージュン市と出会って強制的にふえ科に入れられる。しかし、そのふえ科も資金難で存続できないことになってしまう。
そんな時、世界中で注目されている珍笛が日本に上陸。ふえ科のメンバーはその高価な珍笛を奪ってお金を稼ごうとするのだが、そこにまた邪魔が入り、珍笛は何処へ行くのやら?
設定も分からなければ、やりたいこともよく分からない行き当たりばったりのバカ映画。これは、「魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE」や「逆境ナイン」を超える下らなさ。
その中にアイドル志望の役で何故か出演している高橋真唯は、「クワイエットルームへようこそ」の役で激痩せしてたが、顔がホッソリして以前と比べてかなり変わった。

<CREDIT>

■監督:マッコイ斉藤
■脚本:オークラ
■原作:うすた京介
■出演:要潤、大村学、高橋真唯、小木博明、なぎら健壱 ほか
■配給:ハピネット

映画 『ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE』
2008年1月12日よりシネ・りーブル池袋にて公開

公式ホームページ http://www.liverp.co.jp/jaguar/cinema_top.html

(C) 「ピュー!と吹くジャガー THE MOVIE」製作委員会

【映画ライター】気まぐれ飛行船

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2008年2月12日 by p-movie.com

KIDS

乙一原作の「傷-KIZ/KIDS-」を「君にしか聞こえない」の荻島達也監督が映画化した感涙ファンタジー。

出演は、小池徹平、玉木宏、栗山千明、斉藤由貴、泉谷しげる。

街の工場で働いているタケオは、街にやってきたばかりの少年、アサトと出会う。ある日、タケオはアサトがテーブルのビンを手も触れずに引き寄せるのを目撃して興味を持って声をかける。
「この間のアレ、どうやったんだ?」
街にアサトを連れ出すタケオ。そのときチンピラに絡まれたアサトをタケオが救い、傷を負う。アサトがタケオの手をとると、不思議なことにタケオの傷がアサトに移動するのだった。

発想は面白いと思ったが、話しが暗いし重たい。原作が短編なので内容が薄く、登場人物も少なすぎて地味。どちらかというと、ミニシアター系の作品。
何かひとつぐらい明るいエピソードを入れるとか、思いきってコメディタッチにしてもよかったかも。クライマックスの感涙シーンは、演出がやりすぎで笑ってしまった。

2月2日より全国東映系にて一斉公開

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2008年2月12日 by p-movie.com