ミッション・クレオパトラ

エンタテイメント・ルネッサンス ★★★☆☆
[02/仏]1h48 12月27日より六本木ほか全国ヴァージンシネマズにてロードショー

[製作]クロード・ベリ
[監督]アラン・シャバ
[原作]ルネ・ゴッシニー アルベール・ユデルゾ
[脚本]アラン・シャバ
[出演]モニカ・ベルッチ ジェラール・ドパルデュー クリスチャン・クラヴィエ ジャメル・ドゥブーズ
[配給]ギャガ・コミュニケーションズ
[宣伝]ギャガ宣伝サウスグループ×アニープラネッド

[マジカル・パワームービー:Asterix & Obelix : Mission Cleopatra]

1999年に、フランス横浜映画祭のみで上映された「アステリックスとオベリックス」の続編。昨年の東京ファンタで、上映されている。出演は、前作に続いて登場のジェラール・ドパルデュー&クリスチャン・クラヴィエ、「ティアーズ・オブ・ザ・サン」のモニカ・ベルッチ、「アメリ」のジャメル・ドゥブーズ。監督は、出演も兼ねているアラン・シャバ。

紀元前52年。エジプト女王クレオパトラは、生意気なローマ皇帝シーザーに対してある賭けをする。目的は、エジプトの民が地球で最も偉大であることを認めさせるため。賭けの内容は…たった90日間でシーザーのために豪華絢爛の宮殿を建てること!かくして、納期の守れない前衛建築家と不思議な力を持つ 2人のガリア人「アステリックスとオベリックス」による、壮絶な建築の旅が始まった。

フランスでは、テーマパークがあるほど有名なコミックの映画化で、4人に1人が見たという2002年度No.1作品。でも日本では知られてないし、前作がビデオも出てないのが致命的。史上最大のバカバカしいフレンチ・ギャグ満載だが、字幕が噛み合ってないのか外してる箇所も目立つし、無駄遣いなCGも目立つ。 TVのCMが、”トリビアの泉”のパロディーというとこから、ちょっと寒い。

オフィシャルサイト:http://www.gaga.ne.jp/cleopatre/

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2003年12月29日 by p-movie.com

女はみんな生きている

先の読めない痛快人生ロマン ★★★★☆
[01/仏]1h52 11月15日よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

[製作]アラン・サルド
[監督]コリーヌ・セロー
[脚本]コリーヌ・セロー
[出演]ヴァンサン・ランドン カトリーヌ・フロ ラシダ・ブラクニリーヌ・ルノー オレリアン・ヴィイク
[配給]アスミック・エース
[宣伝]アスミック・エース

[抱腹絶倒の感動アクション:Chaos 全仏公開2001年10月3日]

ある夜、あなたは夫(彼氏)と車を走らせていると、いかにも怪しげな男達に追われて車の前に飛び出してくる女性の姿が…。巻き込まれたくない夫(彼氏)は、助ける気配なし。見ず知らずの人とはいえ、目の前でボコボコにされている女性を見て、あなたならどうしますか? 「スリーメン&ベイビー」のオリジナル作品「赤ちゃんに乾杯!」の女性監督コリーヌ・セローによる、平凡な主婦と謎の娼婦が繰り広げる笑いあり涙ありの痛快人生ロマン。フランスではロングランを記録し、こちらもハリウッドでリメイクの噂が囁かれているサスペンス・コメディー。

平凡な主婦エレーヌは、自分勝手な夫や息子の男どもに振り回されっぱなし。ある夜、瀕死の女性を助けられなかった事が頭を離れないエレーヌは病院を突き止め、家庭も仕事も棄てて彼女の介護を始める。彼女は娼婦のノエミで、病院には組織の男達が相変らずうろついている。そして意識を回復したノエミと病院から逃げだすエレーヌ。彼女は、いつしか自分自身が救われている事に気が付くのだった。ノエミが驚くべき生い立ちを告白する。そして女たちは苦しめる男どもと決着をつける為、とんでもない反逆を始める。

女性であるという理由だけで家事全般を押し付けられるというのは、どうやら万国共通らしい。家庭や家族に生活を縛られているあなた、この作品を観てリフレッシュして下さい。2001年公開のフランス映画は、「リード・マイ・リップス」といい面白い作品が多い。なんで公開が遅いの?

オフィシャルサイト:http://onna-minna.jp/

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2003年11月17日 by p-movie.com

シェフと素顔と、おいしい時間

あなたが心を溶かす ★★★☆☆
[02/仏]1h26 8月30日より六本木ほか全国ヴァージンシネマズにてロードショー

[製作]アラン・サルド
[監督]ダニエル・トンプソン
[脚本]ダニエル・トンプソン クリストファー・トンプソン
[出演]ジュリェット・ビノシュ ジャン・レノ セルジ・ロペス
[配給]日本ヘラルド映画
[宣伝]アニー・プラネット

[雰囲気が楽しいラブ・コメ:Decaloge Horaire JET LAG]

いまのフランス映画界を代表する「ショコラ」のジュリエット・ビノシュと、「レオン」のジャン・レノが遂に共演。パリのシャルル・ド・ゴール空港で偶然出会ったトップ・メイキャップ・アーティストと元有名シェフで冷凍食品会社経営ビジネスマンの心を溶かすラブ・ストーリー。ほか「ハリー、見知らぬ友人」のセルジ・ロペス 。監督は「ブッシュド・ノエル」の女性監督ダニエル・トンプソンで、息子のクリストファー・トンプソンと共同で脚本を書いている。今年のフランス横浜映画でも上映されたが、劇場公開はインターナショナル・ヴァージョンで7分短い。

シャルル・ド・ゴール空港25時。恋人から逃げる女と恋人を追いかける男が出会った。トップ・メイキャップ・アーティストのローズとかつての有名シェフで今はアメリカで食品会社を経営しているフランス人のフェリックス。お互い仕事は順調だが、プライベートではなぜか最良のパートナーにめぐり会えない日々。二人の心に何か問題が!?そんな二人の空港での第一印象はやっぱり最悪。ストさえなければ、二人はお互いの目的地に飛び立って、当然、それっきりになるはずだった。空港に泊まろうとしていたローズを見て、フェリックスはホテルがツインだからと誘うのだが…。

困難と言われたシャルル・ド・ゴール空港で撮影された大群衆の中で繰り広げられる、きっかけとしてはありえそうなロマンティック・コメディー。相手との愛が消えたことを認めたくない悪あがき、厚化粧の仮面を脱ぎ捨て美味しい料理を食べて心を溶かす瞬間。いくつも魅了するシーンが味わえる雰囲気が楽しい。冷めないうちにご賞味あれ。

オフィシャルサイト:http://www.oishiijikan.com/

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2003年8月30日 by p-movie.com

ロスト・イン・ラ・マンチャ

「ドン・キホーテ」は、こうして作られなかった ★★★★☆
[02/米・英]1h33 5月10日よりシネ・アミューズほか全国順次ロードショー

[製作]ルーシー・ダーウィン
[監督]キース・フルトン&ルイス・ペペ
[出演]テリ-・ギリアム ジョニー・デップ ジャン・ロシュフォール ヴァネッサ・パラディ
[配給]シネカノン
[宣伝]シネカノン

[完成版が見たくなる、最高の予告編!:Lost In La Mancha]
「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「WATARIDORI」と面白いドキュメンタリーの公開が目立っているが、ここに前代未聞のドキュメンタリー作品が登場。今までにも映画製作のメイキングはあったが、この作品はなんと制作費50億円をかけた「未来世紀ブラジル」「バロン」「12モンキーズ」の鬼才テリー・ギリアム製作の「ドン・キホーテ」が、撮影途中で中止になってしまう過程を記録したドキュメンタリーである。

舞台は17世紀スペインのラ・マンチャ。タイムスリップしてきた現代のCMプロデューサーが、ドン・キホーテと出会い従者のサンチョ・パンサに間違えられる波乱の連続、アルティシドーラ姫との恋ありとファンタジーな作品。ドン・キホーテに「パリ空港の人々」のジャン・ロシュフォール、CMプロデューサーに「ショコラ」のジョニー・デップ、姫にデップの私生活のパートナーで「橋の上の娘」のヴァネッサ・パラディ。

撮影中に監督や出演者が現場で揉めて降板し、新たに撮り直すという話はよく聞く。でも撮影途中で中止になってしまうことは、よっぽどの事がない限りない。だが信じられない最悪な出来事が製作スタッフに襲いかかる。何故、製作途中で中止になったのか知りたくない? ちなみにギリアムの新作は、グリム兄弟の冒険を描く「ブラザース・グリム」で、出演はマット・デイモン&ヒース・レジャー。今度は大丈夫か?

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2003年5月11日 by p-movie.com

過去のない男

未来にこそ存在する自分の場所 ★★★★☆
[02/フィンランド]1h37 3月15日より恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー

[製作]アキ・カウリスマキ
[監督]アキ・カウリスマキ
[脚本]アキ・カウリスマキ
[出演]カティ・オウティネン マルッキィ・ペルトラ
[配給]ユーロスペース
[宣伝]ユーロスペース

[カウリスマス的幸福感動:mies vailla menneisyytta]
2002年カンヌ国際映画祭でグランプリ(パルムドールは「戦場のピアニスト」)、そして主演女優賞の二冠を受賞したアキ・カウリスマキ監督の至福の映画。出演は、カウリスマキ常連で主演女優賞に輝いたカティ・オウティネン、「浮き雲」「白い花びら」に脇役で出演していたマルッキィ・ペルトラ。

夜行列車でヘルシンキに辿り着いたひとりの男。しかし彼は暴漢に襲われ重傷を負い、過去の記憶を全て失ってしまう。港湾のコンテナに住む一家に助けられた男は、使われてないコンテナで暮らし始め、救世軍で働くイルマと出会った。それは男にとって暖かで満ち足りた時間だった。やっと仕事が見つかった男は銀行口座を開きに行くが、銀行強盗と出会い金庫に閉じ込められてしまう。名前も分からぬ男が銀行強盗に関与か?という記事が新聞に載り、男の身元が分かった。連絡をしてきたのは、男の妻だった。

過去を失い、過去を取り戻し、過去を手放す男の再生と希望をカウリスマキ独特のユーモアで描く楽しい作品。いつもカウリスマキ作品はセリフが少なく、前作ではモノクロのサイレントだったが、今回はセリフも多くカラフルで見事な方向転換。男が日本酒で寿司を食べるシーンが登場し、バックにクレイジーケンバンドの曲が流れるのだが、これは日本大好きな監督らしい粋な計らい。

オフィシャルサイト: http://www.eurospace.co.jp/kako/

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2003年3月14日 by p-movie.com