ベルリン、僕らの革命

彼らの今は、あなたが純粋だったあの頃 ★★★☆☆
[04/独・オーストリア]2h06 4月29日よりBunkamura ル・シネマにて全国順次ロードショー

[製作]ハンス・ワインガルトナー アントニン・スヴォボダ
[監督]ハンス・ワインガルトナー
[脚本]カタリーナ・ハント ハンス・ワインガルトナー
[出演]ダニエル・ブリュール ジュリア・ジェンチ スタイプ・エルツェッグ ブルクハルト・クラウスナー
[配給]コムストック キネティック
[宣伝]キネティック

[Die Fetten Jahre sind Vorbei THE EDUKATORS]
2004年カンヌ国際映画祭コンペティション部門ほか、数々の映画祭で上映され、海外でも公開されている爽やかな青春映画。出演は「グッバイ、レーニン」のダニエル・ブリュール&ブルクハルト・クラウスナー、6月のドイツ映画祭2005で「ゾフィー・ショル 最期の日々」(2006年公開予定)が上映されるスタイプ・エルツェッグ。監督は、長編2作目となるハンス・ワインガルトナー。

正義感が強く理想主義者のヤンと親友のピーター。一緒に暮らす2人には、ある秘密があった。それは彼らこそ、巷で噂の「エデュケーターズ」だということだ。2人は金持ちの邸宅に侵入すると家具を動かし、「ぜいたくは終わりだ」などと書いたメモを残して立ち去るという犯行を繰り返していた。それは、金持ちが優遇される現代社会に対する、彼らの小さなレジスタンス運動だ。ピーターが旅に出ていたある日、ヤンはピーターの恋人・ユールの引越しを手伝うことに。そこで、ユールが金持ちの高級車の賠償支払いに苦しんでいることを知ったヤン。そして後日、ヤンとユールは彼女の賠償相手の邸宅に侵入することにするが・・・。

この後、賠償相手と鉢合わせしてしまい2人は、ピーターを呼んで賠償相手を連れて、親戚の山小屋に逃げる。ここから物語は、奇妙な4人の共同生活を描いていく。じつは、ピーターの留守中に2人はデキてしまうのだが、なんとピーターはその事を誘拐した賠償相手に教えてもらうというトロさ。これが上映時間を長くしているのかも。この作品は、デジタル・ビデオ撮影で80時間も撮ったそう。連続ドラマにでも、したかったのだろうか?

オフィシャルサイト:http://www.bokuranokakumei.com/

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2005年5月2日 by p-movie.com

コーラス

歌うときだけ幸せだった ★★★☆☆
[04/仏]1h37 4月9日よりシネスイッチ銀座&シネ・リーブル池袋ほかにて全国順次ロードショー

[製作]ジャック・ペラン アーサー・コーン ニコラ・モヴェルネ
[監督]クリストフ・バラティエ
[脚本]クリストフ・バラティエ
[出演]ジェラール・ジュニョ フランソワ・ベルレアン ジャン=バティスト・モニエ
[配給]日本ヘラルド映画アートハウス・チーム
[宣伝]メゾン

[LES CHORISTES:全仏公開2004年3月17日]
昨年のフランスでNo.1を記録し、多くの人に愛され感動を巻き起こした作品。出演は「バティニョールおじさん」のジェラール・ジュニョ、「ブルー・レクイエム」のフランソワ・ベルレアン、「サン・マルク少年少女合唱団」ソリストのジャン=バティスト・モニエ、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジャック・ペラン。

戦後の貧しい暮らしで親との別居を余儀なくされた子供たちの暮らす寄宿舎。体罰を与える校長の厳格な教育方針のもと、子供たちの固く閉ざされた心は悲鳴をあげていた。その声なき声に耳を傾けたのは、新しく赴任してきた中年のさえない音楽教師だった。彼は「歌」を通じて生きることの素晴らしさ、愛すること尊さを教え、無償の愛を子供たちに注ぐ。子供たちの冷たくかじかんだ心を、歌がゆっくり溶かしていく。青白かった子供たちの頬が、喜びでばら色に染まり始める。言葉にできなかった切ない想いが、歌にのせて解き放たれていく。

アカデミー賞の外国語映画賞&主題歌賞の2部門にノミネートされた作品。日本でも文部科学省選定(成人向)されている。とにかく、美しくも切ない歌声に癒されて下さい。製作したジャック・ペランが出演しているのも嬉しい。

オフィシャルサイト:http://www.herald.co.jp/official/chorus/

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2005年4月11日 by p-movie.com

ロング・エンゲージメント

予感を信じる ★★★☆☆
[04/仏]2h13 3月12日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

[製作]アンガス・フィネー ジャン=ルイ・モンシュ
[原作]セバスチャン・ジャプリゾ「長い日曜日」(創元推理文庫)
[監督]ジャン=ピエール・ジュネ
[脚本]ジャン=ピエール・ジュネ ギョーム・ローラン
[出演]オドレイ・トトゥ ギャスパー・ウリエル マリオン・コティャール ドニ・ラヴァン
[配給]ワーナーブラザース
[宣伝]レオ・エンタープライズ

[Un long dimanche de fiancailles/A Very Long Engagement]
「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督とオドレイ・トトゥが、又もやタッグを組んだ奇跡愛のミステリー。共演は「かげろう」のギャスパー・ウリエル、「ビッグ・フィッシュ」のマリオン・コティャール、「ポンヌフの恋人」のドニ・ラヴァン。

第一次大戦下のフランス、ブルターニュ地方。まるで子供のように純粋に惹かれ合うマチルドとマネックは、誰が見てもお似合いの恋人同士だった。だが過酷な運命はそんなふたりをも引き裂いてしまう。戦場に旅立ったマネックの身を案じていたマチルドのもとにある日、悲報がもたらされる。軍法会議で死罪を宣告された彼が、ドイツ軍との前線である“ビンゴ・クレピュスキュル”に、武器もなく置き去りにされたというのだ。だが、彼の最後を見届けたものはいない。その日以来、マチルドの必死の捜索が始まる。「彼に何かあれば、私にだけはわかるはず」。マチルドは不思議な愛の直感に導かれながら、複雑に絡まった糸をほどくかのように、ミステリーを解き明かして行く。果たして、彼女だけの直感は、奇跡を起こすことができるのか。

ジュネの真骨頂ともいえるファンタジーと、こだわりの映像美が再び登場。まるで、アメリが第一次大戦に来てしまったような純愛もの。勿論、ターゲットは女性層なのだが監督の性なのだろうか、戦争シーンの描写はキツイ。個人的には、子供時代のシーンをもう少し見たかった。

オフィシャルサイト:http://www.long-eng.jp/

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2005年3月14日 by p-movie.com

ネバーランド

そこは夢が可能な場所なんだ! ★★★★☆
[04/米・英]1h40 1月15日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]リチャード・N・グラッドスタイン ネリー・ベルフラワー
[監督]マーク・フォースター
[脚本]デイヴィッド・マギー
[出演]ジョニー・デップ ケイト・ウィンスレット フレディ・ハイモア ダスティン・ホフマン
[配給]東芝エンタテインメント
[宣伝]メディアボックス

[Finding Neverland:全米公開2004年10月22日]
「ピーターパン」が舞台で上演されてから100年目を記念して製作された、「ピーターパン」誕生秘話を描いた美しい愛と感動のドラマ。出演は「シークレット・ウィンドウ」のジョニー・デップ、「エターナル・サンシャイン」のケイト・ウィンスレット、「トゥー・ブラザース」のフレディ・ハイモア、「ミート・ザ・フォッカーズ」のダスティン・ホフマン。監督は「」のマーク・フォースター。

1903年のロンドン。劇作家のジェームズ・バリは、ある日若く美しい未亡人シルヴィアとその4人の幼い息子たちに緑のまぶしいケンジントン公園で出会う。少年の心を持ったバリはすぐに子供たちと仲良くなるが、4人の中で一番繊細なピーターだけは、父の死によって心を閉ざしていた。夢を信じる心を失いかけていたピーターは、イマジネーションの翼を広げることをバリに教えられ、次第に心を開いて行く。同時に、バリも創作への情熱を呼び覚まされ、“ネバーランド”に住む大人にならない少年“ピーター・パン”の物語を生み出す。だが、そんな彼らに悲しい出来事が待ち受けていた。

大人になりきれない子供のような人をピーターパン症候群と言うが、ジョニー・デップは劇作家バリの症候群振りを見事に演じている。と言うより、デップは毎回変わり者しか演じないけど。「トゥー・ブラザース」で、美味しいとこを持ってったフレディ・ハイモアは今回も強い印象を残す。ハーレイ君のようにブレイクする日は近いかも。前作の「パイレーツ・オブ・カリビアン」で、何故かアカデミー主演男優賞にノミネートされたデップは、今回もノミネートされるだろうが、受賞は「レイ」のジィミー・フォックスが有力。アカデミー賞のノミネート発表は、1月25日です。

オフィシャルサイト:http://www.neverland-movie.jp/

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2005年1月17日 by p-movie.com

春夏秋冬そして春

季節のどこかに、あなたがいる。 ★★★★☆
[03/独・韓]1h42 10月30日よりほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]イ・スンジェ カール・ガウムバルトナー
[監督]キム・ギドク
[脚本]キム・ギドク
[出演]オ・ヨンス キム・ジョンホ ソ・ジェギョン キム・ヨンミン ハ・ヨジン キム・ギドク
[配給]エスピーオー
[宣伝]アニー・プラネット グアバ・グアボ

[Spring, Summer, Fall, Winter… and Spring:韓国公開2003年9月19日]
「悪い女 青い門」(未・ビデオのみ)「魚と寝る女」「悪い男」が、日本で見ることの出来るキム・ギドク監督9作目。ロカルノやサンセバスチャンの映画祭で賞を受賞し、全米でもミニ・シアターでロングランした優美にしてシンプルな作品。

深い山間の湖に浮かぶ小さな庵。穏やかに年月を過ごす幼子と彼を見守る老僧が二人で暮らしている。無邪気な子供(春)が成長し、少年(夏)から青年(秋)、中年そして壮年期(冬)へといたる波瀾に富んだ人生の旅程が、水上の庵の美しい季節のなかに描かれる。

いつも低予算で、常連キャストもいず、信じられない短い期間で撮影してしまい、驚くべきペースで次々と製作していきながら、海外の映画祭で賞を獲得するキム・ギドク監督。今回は湖に浮かぶ寺をを製作しながら約1億円で押さえ、撮影期間は1年間掛かっているが、その間に「コースト・ガード」 (来年上映予定)を仕上げていて、撮影日数も普段と変わらず短い。監督の作品は描写が過激なものが多い中で、この作品は殆んどない芸術的な作品。女性も安心して見れる。ラストの壮年期に予定していた役者が髪を短くするのを嫌がり降板した為、監督自らが演じている珍しい作品でもある。ちなみに監督の「受取人不明」「サマリア」「空き家」も来年日本で見れる。

オフィシャルサイト:http://www.kimki-duk.jp/

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2004年11月1日 by p-movie.com