ヴィドック

ヴィドック VS 鏡の顔を持つ男 ★★★☆☆
[01/仏]1h38 1月12日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

[製作]ドミジク・ファルジア オリヴィエ・グラニエ
[監督]ピトフ
[脚本]ピトフ ジャン=クリストフ・グランジェ
[出演]ジェラール・ドパルデュー ギヨーム・カネ イネス・サストレ ロートレンヌ・アンドレ・デュソリエ
[配給]アスミックエースピクチャーズ
[宣伝]アスミックエースピクチャーズ

[ハイテンション・ファンタジック・エンタテインメント:VIDOCQ]
ヴィドックとは、19世紀に実在した人物。脱獄を繰り返した犯罪者だが、その度量を買われて警察の密偵となり、後に世界初の私立探偵事務所を設立する。フランスでは度々テレビ映画化されている子供たちの憧れの的に、誰もが知っている伝説のヒーローである。ヴィドックにはフランス映画界の重鎮ジェラール・ドパルデュー。彼の足跡を追う若き作家エチエンヌに、「ビーチ」のギヨーム・カネ。ヴィドックの愛人プレアにランコムのモデルとしても有名なイネス・サストレ。警視総監には「愛を弾く女」「恋するシャンソン」のアンドレ・デュソリエ。 監督&脚本はCF出身で、フランス界におけるデジタル映像のパイオニアのピトフ。

1830年7月24日、ヴィドックが街外れのガラス工場で謎の怪人と戦い、燃え盛る釜戸の中へ突き落とされ、命を落としたと新聞が報じた。ヴィドックの死を嘆き悲しむ相棒のニミエの元に、彼から伝記の執筆以来を受けていた作家のエチエンヌがやって来る。彼はヴィドックを殺した犯人を一緒に探し、伝記を完成させ、ヴィドックの復讐をしようとニミエに持ちかけた。早速2人は捜査を開始、彼が生前に追っていた連続稲妻焼死事件に関して調査を進めて行くが、進行と共に死体も増えていく。そこには、ヴィドックを殺した鏡の顔を持つ男も絡んでいた。

「ロストチルドレン」のビジュアルエフェクトを手掛けたピトフ監督だけあり、19世紀初頭のパリの風景は素晴らしいし、ハイビジョン・デジカメのカメラワークもスピーディで面白い (「ムーラン・ルージュ」に似てるけど)。それよりも驚いたのが、ジェラール・ドパルデューと鏡の顔を持つ男のアクション。ベッソンが仏にまで持ち込んだワイヤー・アクションを使って後ろ回し蹴りまで披露。こんな巨体のアクションシーンは、サモハン・キンポー以来か。

オフィシャルサイト: http://www.vidocq.jp/

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2002年1月14日 by p-movie.com

ヤング・ブラッド

ワイヤー版「三銃士」 ★★★☆☆
[01/米・独・ルクセンブルグ] 1h45 11月10日より渋谷急ほか全国公竹・東急洋画系にてロードショー

監督:ピーター・ハイアムズ
脚本:ジーン・クインターノ
出演:ジャスティン・チェンバース ティム・ロス  ミーナ・スヴァーリ カトリーヌ・ドヌーブ
配給:日本ヘラルド映画
宣伝:メディアボックス

[アクロバティック文学史:THE MUSKETEER]
アレクサンドル・デュマの文学史上最も魅力的な物語のひとつである『三銃士』を「エンド・オブ・ディズ」のピーター・ハイアムズ監督と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明」のアクション演出シャン・シンシンが西洋の格闘バトルと香港スタイルのエネルギーを融合させて製作。ダルタニアン役には「ウエディング・プランナー」のジャスティン・チェンバース、「猿の惑星」のテイム・ロスと「クライング・ゲーム」のスティーブン・レイが悪役。ほか「恋は負けない」のミーナ・スバーリに、名女優カトリーヌ・ドヌープと豪華演技陣を揃えた。

1625 年、フランス。陰謀と裏切りが横行する時代、ダルタニアンは育ての親のプランシェと共にパリに向かう。14年前に勇敢な銃士であった父親と母親を殺した男を捜しに。パリに着いたダルタニアは、手ごわい敵たちに出会う。謀略を黙認しているルイ13世の側近リシュリュー枢機卿と、彼の強力な軍隊を指揮している黒装束で片目の冷血な男フェブル。彼らはパリの銃士隊を任務から外して隊長を投獄した。続いてフェブルは女王を襲おうとするが、宿屋で出合ったフランチェスカに頼まれ女王を守ることに。そして両親を殺したのが、フェブルだと分かると銃士隊を奮い立たせて反撃に出る。

ハリウッドではワイヤーアクション作品の受けがよく、香港のアクション演出家がハリウッドに呼ばれて製作される作品が増えている。これは「グリーン・デスティニー」が、全米で外国映画作品のヒット記録を塗り替えて、アカデミー賞にノミネートされた影響からで、この作品もそんな1本。ハリウッドでは、役者に無理をさせないのがお約束なので、バトル・アクションシーンはすべて香港のスタントマンの吹替え。だが、こういう作品は見ているだけで楽しい。バトルは目まぐるしいので前の方で見るのは避けましょう。ミーナ・スヴァーリのセミ・ヌードもあるよ。

オフィシャルサイト:http://www.youngblood.jp/

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2001年11月12日 by p-movie.com

London dogs

セックスと抗争とカラオケタイム ★★★☆☆
[99/英] 1h38 9月1日よりシャンテ・シネにてロードショー

監督:ドミニク・アンシアーノ&レイ・バーディズ
脚本:ドミニク・アンシアーノ&レイ・バーディズ
出演:ジュード・ロウ ジョニー・リー・ミラー セイディ・フロスト リス・エヴァンス
配給:ザナドゥー アスミック・エース
宣伝:ザナドゥー

[ニュー・ギャング・ムービー:LOVE, HONOUR & OBEY]

ジュード・ロウが「FINAL CUT」に続いて仲のいい仲間と製作したギャング・ムービー。今回も出演者は、全員実名で登場している。今回は前作のメンバーに加えて「ドラキュリア」のジョニー・リー・ミラー、 「リトル・ニッキー」のリス・エヴァンスが参加している。

郵便配達員のジョニーは現状からの脱出を夢見て、親友のジュードがいるノース・ロンドンのギャングの一員に加えてもらうべく口利きしてもらうことを考えた。郵便配達員という立場を利用して、宛先に配達される前のクレジット・カードを盗み金を手に入れるというものだ。ジョニーは晴れてノース・ロンドンのギャングの一員となった。ある日、ライバルでサウス・ロンドンのギャングにバカにされたジョニーは、サウスが隠し持っているコカインを盗み出してしまう。ジョニーが2つのギャンググループの宿怨に火をつけたことで、遂に激しい抗争が勃発。ボスの結婚式で腹心が命を落とすまでにエスカレートするに至る。ノースは再び友好なライバル関係を取り戻すために、サウス・ロンドン側との手打ちを試みる。その手打ちとは・・・・。

前作の「FINAL CUT」は、仲のいい身内で撮りました的でおちゃらけ作品だったが、今回は立派な商業映画。セックス話に明け暮れたり、カラオケ好きで、今風のチンピラにしか見えないと思いきやジョニーに掻き回されて徐々にリアルになっていきギャング同士の抗争へ。ケジメのつけ方も決まっていて、日本のVシネマもちょっと見習わないと。

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2001年9月10日 by p-movie.com

キス・オブ・ザ・ドラゴン

ジェッド・リー、ベッソンと組む ★★★☆☆
[01/米・仏] 1h38 8月25日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー

制作:リュック・ベッソン
監督:クリス・ナオン
脚本:リュック・ベッソン ロバート・マーク・ケイメン
アクション監督:コーリー・ユエン
出演:ジェッド・リー ブリジッド・フォンダ チェッキー・カリョ
配給:K2/日本ビクター
宣伝:ドラゴンキッカー

[巻き込まれヒーロー・アクション:Kiss of the Dragon]

ジョエル・シルバーにハリウッドへ招かれ「リーサル・ウエポン4」「ロミオ・マスト・ダイ」に出演したジェッド・リーが、今度はリュック・ベッソンと組んでフランスを舞台にアクション映画を撮りあげた。共演は「二キータ」のハリウッド・リメイク版「アサシン」のブリジッド・フォンダに、「二キータ」「ブレイド2」のチェッキー・カリョ。脚本は「フィフス・エレメント」でベッソンとコンビを組んでいるロバート・マーク・ケイメン。監督はCM制作からこれで長編デビューを飾ったクリス・ナオン。ベッソンは10本監督したら辞めると言った通り、制作と脚本にまわり、次々と新人監督の育成に励んでいるし、ついに自分の製作会社を設立した。

フランスで麻薬密売を企てている中国人ギャングの逮捕に協力するために、中国から秘密捜査官のリュウが選ばれた。早速、取引現場のホテルで捜査の指揮をとるフランス警察のリチャード警部と合流。捜査に加わるが、ギャングのボスは取引そっちのけで娼婦を連れこんだ。だが娼婦の一人がボスを殺そうとした。止めに入ったリュウだったが、そこへリチャードも駆けつけ不必要だからとリュウから預かった拳銃でボスと娼婦を殺してしまう。罠にはめられたリュウはどうにかリチャードが撃ち殺す瞬間が録画されたテープを持って逃げ出す。唯一の見方だった中国大使館員を殺されテープも奪われたリュウは、現場に居たもう一人の娼婦のジェシカと出会う。リュウは事件の証言を頼もうとするが、彼女にはリチャードに奪われている娘がいて救出と引き換えに協力することを約束する。

腐敗したフランス警察捜査官に罠へ落とされ、殺しの罪を着せられた、結婚もせず任務に一筋だった中国の秘密捜査官が、人に裏切られ傷ついている娼婦と出会い名誉と愛と真実を取り戻すために壮絶な闘いに挑むアクション満載映画。まさにジェッド・リーのために作られた作品。今回はワイヤー・アクションやCGを一切使わずに(敵は使ってる)、ジャッキーと同じくその場にあった小道具を武器にしたり、ファイトシーンをシンプルにしてリアリティを追求してる。そして忘れちゃいけないのが、リュウの武器である腕に付けている待ち鍼。これを相手のツボに刺して動きを止めるという漫画のようなウラ技には、かなり笑える。それにしてもベッソンは、厨房やダストを使うのが好きだよね。

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2001年8月27日 by p-movie.com

シリアル・ラヴァー

ああ死体!!のに、こう死体!!の ★★★★☆
[98/仏] 1h25 4月28日よりシブヤ・シネマ・ソサエティにてGWロードショー

監督:ジェームズ・ユット
脚本:ジェームズ・ユット
出演:ミシェル・ラロック アルベール・デュポンテル エリ-ズ・ティエルローイ
配給:クレストインターナショナル
宣伝:クレストインターナショナル

フランス映画祭横浜で、その面白さから劇場公開が待たれていたブラック・コメディーが遂に公開決定!主演には「ぼくのバラ色の人生」のミシェル・ラロック、ほかの出演者は「ベルニー!」のアルベール・デュポンテル、「パパラッチ」のエリ-ズ・ティエルローイ、「ドーベルマン」のアントワーヌ・バズレール、「視線のエロス」のジヌディーヌ・スアレム、「女と男の危機」のジル・プリヴァ。監督は、これがデビューとなるジェームズ・ユット。

クレールは、ミステリー専門出版社の編集者。そんな彼女には贅沢な悩みが・・・・、それは恋人を1人に絞ることがどうしても出来ない事。今日は彼女の35歳の誕生日。彼女は 3人のボーイフレンドを自宅に招き、最高の夫となるべき男を選ぶことにするのだが、何故か男どもは次々と死体になっていってしまう。そんなクレールの前には強盗を追っている二人の刑事や、妹が誕生日を祝おうと連れてきた大勢の若者たちが乱痴気騒ぎを起こす始末。妹に事情を説明したクレールは二人で死体の始末をしようとするのだが、今度は刑事に追われている強盗2人組がやって来る。果たしてこの悪夢はいつまで続く?

クレールのお洒落な部屋が恐ろしい殺人現場へ。インド映画のような巨大な高級マンションのセットで繰り広げられるドタバタの連発!。この予想外な展開の徹底したブラック・ユーモアには笑いっぱなし。同じ死体がぞろぞろ出てくるタイ映画「6ixtynin9」の10倍は面白い。残念ながらサントラは発売されないようだが、音楽がテンポの良い演出を更に盛り上げている。特に刑事の登場にかかるテーマソングとプラターズではない「オンリー・ユー」は最高!

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2001年4月30日 by p-movie.com