春夏秋冬そして春

季節のどこかに、あなたがいる。 ★★★★☆
[03/独・韓]1h42 10月30日よりほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]イ・スンジェ カール・ガウムバルトナー
[監督]キム・ギドク
[脚本]キム・ギドク
[出演]オ・ヨンス キム・ジョンホ ソ・ジェギョン キム・ヨンミン ハ・ヨジン キム・ギドク
[配給]エスピーオー
[宣伝]アニー・プラネット グアバ・グアボ

[Spring, Summer, Fall, Winter… and Spring:韓国公開2003年9月19日]
「悪い女 青い門」(未・ビデオのみ)「魚と寝る女」「悪い男」が、日本で見ることの出来るキム・ギドク監督9作目。ロカルノやサンセバスチャンの映画祭で賞を受賞し、全米でもミニ・シアターでロングランした優美にしてシンプルな作品。

深い山間の湖に浮かぶ小さな庵。穏やかに年月を過ごす幼子と彼を見守る老僧が二人で暮らしている。無邪気な子供(春)が成長し、少年(夏)から青年(秋)、中年そして壮年期(冬)へといたる波瀾に富んだ人生の旅程が、水上の庵の美しい季節のなかに描かれる。

いつも低予算で、常連キャストもいず、信じられない短い期間で撮影してしまい、驚くべきペースで次々と製作していきながら、海外の映画祭で賞を獲得するキム・ギドク監督。今回は湖に浮かぶ寺をを製作しながら約1億円で押さえ、撮影期間は1年間掛かっているが、その間に「コースト・ガード」 (来年上映予定)を仕上げていて、撮影日数も普段と変わらず短い。監督の作品は描写が過激なものが多い中で、この作品は殆んどない芸術的な作品。女性も安心して見れる。ラストの壮年期に予定していた役者が髪を短くするのを嫌がり降板した為、監督自らが演じている珍しい作品でもある。ちなみに監督の「受取人不明」「サマリア」「空き家」も来年日本で見れる。

オフィシャルサイト:http://www.kimki-duk.jp/

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2004年11月1日 by p-movie.com

2046

5年ぶりの沈黙を破り遂に完成 ★★★☆☆
[04/香港]2h10 10月23日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]ウォン・カーウァイ
[監督]ウォン・カーウァイ
[脚本]ウォン・カーウァイ
[撮影]クリストファー・ドイル
[出演]トニー・レオン 木村拓哉 コン・リー フェイ・ウォン チャン・ツィイー カリーナ・ラウ チャン・チェン ドン・ジェ マギー・チャン
[配給]ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
[宣伝]メイジャー

ウォン・カーウァイ監督が「花様年華」と同じ頃から撮影をスタートさせた姉妹篇が、 5年ぶりの沈黙を破り遂に完成。出演は「インファナル・アフェア」のトニー・レオン、「ハウルの動く城」の木村拓哉、「たまゆらの女」のコン・リー、「恋する惑星」のフェイ・ウォン、「LOVERS」のチャン・ツィイー、「インファナル・アフェア 無間序曲」のカリーナ・ラウ、「グリーン・デスティニー」のチャン・チェン、「最後の恋,初めての恋」のドン・ジェ、「HERO」のマギー・チャン。
 
1967年・香港。ひとりの《男》が、近未来小説を書いている。タイトルは、「2046」。小説の中の登場人物たちは、《2046》という謎の場所を目指し、ミステリートレインに乗り込む。この列車の客室乗務員は、美しい女の姿をしたアンドロイドだ。《2046》に行けば、“失われた愛”を見つけることができる。そこを目指す人々は、そう信じていた。だが、それが真実なのかどうか、誰も知らない。なぜなら、《2046》から帰ってきた者はいないから。ただひとりの《男》を除いて。いま、《男》は再び《2046》に向う列車の中にいた。誰にも言えない秘密を抱えて。果たして、彼の目的とは?そして、その旅の果てで彼を待ち受ける運命とは・・・?

「花様年華」と同じ役で、トニー・レオンは登場。マギー・チャンは、回想シーンでの特別出演。「花様年華」では2046号室に泊まっていたが、今回は2047号室に泊まっている。その隣には、日本語を一生懸命練習するフェイ・ウォンが泊まっていて、その恋人役に木村拓哉。今回のトニー・レオンは、かなりのプレイボーイで、その相手役がチャン・ツィイー&コン・リー。物語は、1960年代の香港とトニーが書いている近未来小説「2046」の実写の2部構成。フェイ・ウォン&木村拓哉は、一人二役で、アンドロイド&殺し屋を演じている。ウォン・カーウァイ監督作品「欲望の翼」のラストで、突如トニー・レオンが登場して鏡の前で髪を梳かして去るシーンで終わると言う不思議なエンディングだったが、今回同じシーンが登場する。と言う事は、もしかすると・・・。

オフィシャルサイト:http://www.2046.jp/

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2004年10月25日 by p-movie.com

LOVERS

3つの「愛」が仕掛けてくる ★★★☆☆
[04/中国]2h00 8月28日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー

[製作]ビル・コン チャン・イーモウ
[監督]チャン・イーモウ
[脚本]リー・フェン チャン・イーモウ ワン・ビン
[出演]チャン・ツィイー 金城武 アンディ・ラウ ソン・タンタン
[配給]ワーナーブラザース
[宣伝]レオ・エンタープライズ

[十面埋伏 House of Flying Daggers]
「HERO」のスタッフが手掛けた第2弾。今回もチャン・ツィイーがヒロインを務め盲目の踊り子に。共演は「ターンレフト ターンライト」が10月に公開の金城武、「インファナル・アフェア終極無問」が来春に公開されるアンディ・ラウ。

物語の舞台は中国・唐の時代。腐敗政治に対して反政府組織が乱立するなか、国を討とうとする盲目の踊り子に、密命を受けて接近する2人の官吏。1人は素性を隠して女に近づき、もう 1人は追っ手を放って女を仕留めようとする。互いに仕組んだ罠の中で出会った3人の男女。しかし、それはさらに幾重にも張り巡らされた、国をも動かす謀(はかりごと)の、ほんの始まりに過ぎなかった…。

映像にこだわるチャン・イーモウ監督らしく、今回はウクライナまでロケをしたのだが思ってた以上に雪が降るのが早く。ラストシーンは、豪雪の中での無茶なシーンになっている。見どころは、小さい頃からクラシックバレーを習っていたチャン・ツィイーの見事な踊り。今回は「HERO」よりも非常に分かりやすいストーリーだが、小じんまりした物語と激しいアクション映像があっていない。

オフィシャルサイト:http://www.lovers-movie.jp/

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2004年8月30日 by p-movie.com

マッハ!!!!!!!!

タイ王国アクション映画歴代No.1 ★★★★★
[03/泰]1h48 7月24日より新宿東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

[製作]プラッチャヤー・ピンゲーオ スカンヤー・ウォンサターバット
[監督]プラッチャヤー・ピンゲーオ
[原案]プラッチャヤー・ピンゲーオ バンナー・リットグライ
[脚本]スパチャイ・シティアンポーンパン
[武術指導] バンナー・リットグライ トニー・ジャー
[出演]トニー・ジャー ペットターイ・ウォンカムラオ プマワーリー・ヨートガモン
[配給]クロックワークス ギャガ・ヒューマックス
[宣伝]ドラゴンキッカー

[ONG-BAK タイ公開2003年1月31日]
2003年バンコク国際映画祭でプレミア上映された本国タイでは数々のハリウッド大作を押さえ、記録破りの興収を更新し、アクション映画歴代No.1に。さらに、特別上映されたトロント映画祭でも、そのホンモノの面白さに魅せられた映画人が続出。フランスのドーヴィル映画祭にて“アジア・アクション映画賞”を受賞し、リュック・ベッソンがヨーロッパ7カ国及び南米での配給権を独占取得し、フランスでも大ヒットとなった。そして“アクション映画の聖地”香港でも初登場 No.1大ヒットを記録。 そのほか、今秋以降に公開が予定されているアメリカ、イギリスなど、すでに全世界40ヶ国以上での上映も決定。この夏はトニー・ジャーが熱いぞ。共演は9月3日にビデオ&DVD「キラータトゥー」が発売されるペットターイ・ウォンカムラオ。監督は「呪信999」(未)をプロデュースしたプラッチャヤー・ピンゲーオ。

仏教とムエタイの国タイ。敬虔な仏教徒の村から、信仰の象徴ともいえる仏像“オンバク”が仏像窃盗団によって盗まれた。村人たちの失意に、ひとりの青年が立ち上がる。彼の名はティン。究極の武術・ムエタイを武器に、彼は“オンバク”像を取り戻すためバンコクへ旅立つ。同郷のジョージとイカサマの相棒ムエという頼りにならないコンビと共に、闇格闘技場をアジトにしている仏像窃盗団を探し出すが“オンバク”像を取り戻すのは険しい道となる。

トニー・ジャーは、スタントマン出身のマジメ派でジェット・リータイプということで、タイでは有名なコメディアンを起用して笑いとトラブルメイカーを担当している。随所にジャッキー・チェン初期の作品のように違う角度から同じシーンを繰り返し魅せるのだが、これは本当に当てているのを見せるため。なので、痛々しいシーンが炸裂している。ムエタイ・アクションの他にもピアス・ブロスナン&チャン・ツイィーのCMでも登場した3輪タクシーのトゥクトゥクによるカー・チェイスとアクション盛り沢山。この夏は、この作品で暑気払いを。

オフィシャルサイト:http://www.mach-movie.jp/

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2004年7月26日 by p-movie.com

ヘブン・アンド・アース

日本へ帰りたくば友を暗殺せよ ★★★☆☆
[03/中]1h58 2月21日よりニュー東宝シネマほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]イェン・イーユン ワン・チョンチョン
[監督]フー・ピン
[脚本]フー・ピン チャン・ルイ
[出演]中井貴一 チアン・ウェン ヴィッキー・チャオ ワン・シュエチー ハースパーカン
[配給]ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
[宣伝]メディア・スーツ

[WARRIORS OF HEAVEN AND EARTH "天地英雄" ]

東京国際映画祭でワールドプレミアされた、ソニー・ピクチャーズ ワールドシネマのアジア作品。出演は「陰陽師2」の中井貴一、「ミッシング・ガン」のチアン・ウェン、「クローサー」のヴィッキー・チャオ。監督は「双旗鎮刀客」のフー・ピン。

紀元7世紀の中国、唐王朝の最盛期。13歳で大陸に渡り、25年間皇帝の密使として働いてきた遣唐使の来栖に念願の帰国許可が下りた。だが、皇帝は彼に帰国前の最後の任務を命じる。それは、逃亡中の反逆者で、元唐軍の英雄、李の討伐だった。李はインドからの皇帝への重要な献上品“黄金の仏塔(パゴタ)”を運ぶキャラバン隊の護衛をしていた。来栖は李を処罰する前に長安の皇帝に届けることを優先させるべく、キャラバンの護衛に協力、砂漠のシルクロードを共に旅する。だがそれは、仏塔を狙う異民族や盗賊団との待ち受ける苛酷な旅だった。

紀元前7世紀のシルクロードを舞台に、男達の同士と名誉を描いたスペクタクル活劇。砂煙をあげての騎馬軍団との決戦や中井貴一とチアン・ウェンとの対決は素晴らしい。敵対しながらもお互いの実力と立場を尊重する来栖と李の静かな交流、見事なリーダーシップを発揮する李と彼を慕う部下の絆は心に沁みる。これで、CGにもう少しお金が掛かってればなー。

オフィシャルサイト:http://www.sonypictures.jp/heavenandearth/

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2004年2月21日 by p-movie.com