マスター・アンド・コマンダー

魂を揺さぶる空前のスペクタクル・ロマン ★★★☆☆
[03/米]2h19 2月28より日劇1ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]サミュエル・ゴールドウィン・ジュニア ピーター・ウィアー ダンカン・ヘンダーソン
[原作]パトリック・オブライアン(ハヤカワ文庫刊)
[監督]ピーター・ウィアー
[脚本]ピーター・ウィアー ジョン・コーリー
[出演]ラッセル・クロウ ポール・ベタニー ビリー・ボイド ジェームズ・ダーシー リー・イングルビー
[配給]ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
[宣伝]ブエナ ビスタ

[Master and Commander: The Far Side of the World]

パトリック・オブライアンの海洋冒険小説の映画化。「ビューティフル・マインド」のラッセル・クロウ&ポール・ベタニーが再び共演。ほか今後に活躍が期待される若手俳優が大挙出演。監督は「グリーン・カード」「トゥルーマン・ショー」のピーター・ウィアー。

1805年。ヨーロッパ征服を狙うナポレオンの前に、多くの兵士の尊い命が犠牲となり、イギリス軍はその兵力を補うために、幼い少年達までも戦場に送らざるをえなかった。弱冠12歳の士官候補生ブレイクニーら少年たちは、伝説的な名艦長として名を馳せるジャック・オーブリー率いるサプライズ号に乗り込む。この艦の使命は、ナポレオン率いるフランス軍の武装艦アケロン号を拿捕するという、危険極まりない大追跡だった。攻撃力では圧倒的な優位に立つアケロン号と、荒れ狂う大海原を相手に、戦う術も知らない幼い少年達はひたすらにジャック・オーブリー艦長を信じ、愛する家族に再び会える日を夢見て戦いに旅立つ。

ミラマックス&ユニバーサルと20世紀フォックスが製作したが、何故か日本はブエナビスタが配給。作品は実際に船まで造った、ほとんどが海上で繰り広げられる男臭い航海映画。見所は迫真の嵐と何といっても戦闘シーン。海の上で2艘の船を横付けにして、展開される追撃戦は圧巻。残虐な描写も多いけど。原作は長編だけあり、航海は続く。続編は、作られるのか?

オフィシャルサイト:http://www.movies.co.jp/masterandcommander/

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2004年2月28日 by p-movie.com

ラブ・アクチュアリー

19人が織り成すそれぞれの愛のカタチ ★★★★☆
[03/英・米]2h15 2月7日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]ダンカン・ケンワーシー/ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー
[監督]リチャード・カーティス
[脚本]リチャード・カーティス
[出演]ヒュー・グラント コリン・ファース アラン・リックマン キーラ・ナイトレイ エマ・トンプソン リーアム・ニーソン ローワン・アトキンソン ビル・ナイ ローラ・リニー ビリー・ボブ・ソーントン
[配給]ユナイテッド・インターナショナルピクチャーズ ファー・イースト
[宣伝]オフィス・エイト

[ハートフル・ドラマ:Love Actually 全米公開2003年11月14日]

現代は、憎しみと欲だけになってしまった? いやいや実際(ACTUALLY)のところ、この世にはまだたくさんの愛(LOVE)が、溢れています。 そんな事を感じさせてくれる作品を『フォー・ウェディング』『ノッティング・ヒルの恋人』『ブリジッド・ジョーンズの日記』の脚本家リチャード・カーティスが、今回は監督も兼ねて製作した作品。 ハリウッドでも活躍しているイギリス人俳優たちを集めておくる、様々な愛によって輝く人生の素晴らしさを御賞味あれ。 出演は「ブリジッド・ジョーンズの日記」のヒュー・グラント&コリン・ファース、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のキーラ・ナイトレイ、『ギャング・オブ・ニューヨーク』のリーアム・ニーソン、『いつか晴れた日に』のエマ・トンプソン、そして『ビーン』『ジョニ-・イングリッシュ』のローワン・アトキンソンが、相変らずのスットボケ演技を披露している。

クリスマス目前のロンドン。年齢・人種・性別・職業の多種多様な19人が、ちょっぴりままならない人生を生きている。お茶くみの秘書に恋心を抱いてしまう独身の首相。弟に恋人を取られ傷心旅行へ出かけた南米で、言葉も分からぬメイドに恋する作家。2年7ヶ月も職場の同僚を思いつづけるOL、学校一のマドンナに淡い恋を抱き、モンモンと悩む11歳の少年、親友の新妻への思いをひた隠しにする画家。思わず「わかるわかる」と、うなずく共感でいっぱいです。

オフィシャルサイト:http://www.loveactually.jp/

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2004年2月7日 by p-movie.com

ニューオリンズ・トライアル

ヒートアップする激烈な頭脳戦 ★★★☆☆
[03/米]2h08 1月31日より日比谷映画劇場ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]アーノン・ミルチャン ゲイリー・フレダー クリストファー・マンキーウィッツ
[原作]ジョン・グリシャム「陪審判決」(新潮文庫刊)
[監督]ゲイリー・フレダー
[脚本]ブライアン・コペルマン&デビット・レビン レック・クリーブランド マシュー・チャップマン
[出演]ジョン・キューザック ジーン・ハックマン ダスティン・ホフマン レイチェル・ワイズ
[配給]東宝東和
[宣伝]オフィス・エイト

[リーガル・エンターテインメント:RUNAWAY JURY 全米公開2003年10月17日]

「ザ・ファーム 法律事務所」「評決のとき」「依頼人」「ペリカン文書」のジョン・グリシャムによる、1996年のベストセラー「陪審判決」をタバコ訴訟から銃訴訟に置き換えて、「コレクター」「サウンド・オブ・サイレンス」のゲイリー・フレダーが映画化。出演は、「アイデンティティー」のジョン・キューザック、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のジーン・ハックマン、「ムーンライト・マイル」のダスティン・ホフマン、「アバウト・ア・ボーイ」のレイチェル・ワイズ。

ニューオーリンズの証券会社で銃の乱射事件が発生。犯人は11人を射殺し5人に重傷を負わせ自殺。その2年後、犯行に使われた銃の製造と販売責任をめぐり、犠牲者の未亡人が訴訟を起こした。訴えられたのは大手の銃器メーカー。もしもメーカー側がこの裁判に負ければ、全米中で同様の訴訟の嵐が巻き起こるのは必至となる―。必ず勝たなければならない戦いを前に、メーカー側はやり手の陪審コンサルタントのフィッチを雇い、評決の鍵を握る陪審員に対しての裏工作を進める。その渦中で、暗躍を始める一人の陪審員ニック。謎めいた過去を持つ彼はある「目的」を持って陪審員に潜り込んでいた。果たして彼の目的は?そして原告・被告双方に「陪審員、売ります」のメモを送りつけた謎の女マーリーの正体とは?苦しい戦いの中での原告側弁護士ロ-アの下した決断とは…?全米中のマスコミが固唾を呑んで見守る中、熱いバトルの幕が上がった。

今までのグリシャム映画は裁判がメインの作品が多かったが、今回はちょっと違う。アメリカの裁判は陪審員が評決を下す。そこに目をつけた陪審員が、被告と原告の弁護士に金で評決を売ろうとする命懸けの頭脳合戦が炸裂。今まで映画化されなかったのが、おかしいくらい。こんな事が実際に起こっていたら、ちょっと恐ろしい。ラストのオチが、ある日本映画に似ているが、どちらが先に書かれたんだろう?ちょっと気になる。

オフィシャルサイト:http://nt.eigafan.com/

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2004年2月2日 by p-movie.com

シービスケット

諦めるな、立ち向かえ! ★★★★☆
[03/米]2h21 1月24日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]ゲイリー・ロス キャスリーン・ケネディ フランク・マーシャル ローラ・ヒレンブランド
[原作]ローラ・ヒレンブランド(ソニー・マガジンズ)
[監督]ゲイリー・ロス
[脚本]ゲイリー・ロス
[出演]トビー・マグワイア ジェフ・ブリッジス クリス・クーパー エリザベス・バンクス
[配給]ユナイテッド・インターナショナルピクチャーズ ファー・イースト
[宣伝]P2

[勇気と感動の実話:Seabiscuit 全米公開2003年7月25日]

436万部を超えるベストセラーの『シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説』を「カラー・オブ・ハート」で、トビー・マグワイアを起用したゲイリー・ロスが、製作・脚本・監督した感動作。全米では2ヶ月以上に渡ってベストテンに入った。出演は、「スパイダーマン」のトビー・マグワイア、「ザ・コンテンダー」のジェフ・ブリッジス、「アダプテーション」のクリス・クーパー、「」のエリザベス・バンクス。

大恐慌によって、一家離散に見舞われた天涯孤独の騎手ジョニー・“レッド”・ポラード、巨万の富を手にしながら、愛する者を失った西部の自動車王チャールズ・ハワード、そして、故郷というべき“西部”を近代化の波によって奪われた孤独なカウボーイ、トム・スミス。彼らは、《シービスケット》という一頭の小柄なサラブレッドに導かれるように出逢い、まるで家族のような絆で結ばれ、生きる希望を掴み取る。と同じに、逆境を跳ね返し、過酷な毎日を生きる人々に勇気を与え、“貧しき者たちのヒーロー”として、熱狂的な人気を獲得する。ところがそんな折、レッドは騎手として再起不能な重傷を負い、そして《シービスケット》もまた競走馬として致命的なケガをしてしまう。こうして、彼らの奇跡にも似た再起への闘いが、今、幕を開ける…。

役作りの為に10キロも痩せたトビー・マグワイアは、過酷なトレーニングと撮影で腰を痛めて、一時は「スパイダーマン2」の製作が危ぶまれるほど気合の入った作品。前回紹介した「油断大敵」もそうだったが、こちらも実話だと思えないほどの感動作。レースを真上から撮影するという、今まで見たことの無い映像も堪能できる。永遠のライバルを演じたゲイリー・スティーヴンスは、実際の名誉殿堂入りしたジョッキー。俳優初体験とは、思えない堂々たる名演も見所のひとつ。

オフィシャルサイト:http://www.uipjapan.com/seabiscuit/

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2004年1月26日 by p-movie.com

ミスティック・リバー

衝撃的な悲劇が、心の闇を炙り出す ★★★★☆
[03/米]2h18 1月10日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー

[製作]ロバート・ローレンツ ジュディー・G・ホイト クリント・イーストウッド
[原作]デニス・ルヘイン(ハヤカワ文庫刊)
[監督]クリント・イーストウッド
[脚本]ブライアン・ヘルゲランド
[出演]ショーン・ペン ティム・ロビンス ケビン・ベーコン ローレンス・フィッシュバーン ローラ・リニー
[配給]ワーナー・ブラザース
[宣伝]レオ・エンタープライズ

奇跡のアンサンブル・ドラマ:Mystic River 全米公開2003年10月10日 【PG-12】

デニス・ルヘイン原作のベストセラーを、クリント・イーストウッドが24作目の監督作品に選んだ作品。出演は「アイ・アム・サム」のショーン・ペン、「ヒューマンネイチュア」のティム・ロビンス、「コール」のケビン・ベーコン、「マトリックス」シリーズのローレンス・フィッシュバーン、「目撃」のローラ・リニー。

ジミー(ショーン・ペン)、デイブ(ティム・ロビンス)、ショーン(ケビン・ベーコン)の3人は、ボストンのダウンタウンに近いイーストバッキンガム地区で少年時代をともに過ごした幼なじみだ。11歳のある日、いつものように路上で遊んでいた3人に、警官を思わせる男が近づいてきた。男は、道路にいたずらをしていた3人を叱りつけると、デイブだけを車に乗せて走り去った。デイブが戻ってきたのはそれから4日後のこと。誘拐され、監禁された4日間。そのあいだにデイブの身に何が起こったのかは、語られなくてもわかった…。その日を境に、彼らの少年時代にピリオドが打たれ、3人は離れ離れになっていった。25年後に起きた殺人事件。それは、過去の出来事を呼び戻す、さらなる悲劇の幕開けとなった。無残な姿で殺されていたのは、19歳になるジミーの最愛の娘。今は刑事となったショーンが、相棒のホワイティー(ローレンス・フィッシュバーン)とともに事件の捜査にあたることになり、その捜査線上に、なんとデイブが容疑者として浮かび上がってきたのだ。殺された娘の父親と、刑事、そして容疑者。かつての幼なじみが果たしたあまりにも過酷な再会になった。

「ゴシカ」に変わって公開が、急遽決まった作品。今年はアカデミー賞が2月に早まり、候補作品の公開がその前に集中している。作品は、アカデミー賞に名を連ねるメンバーだけに、心に痛いほど突き刺さるほど見応えあるドラマ。見終わった後は、かなりヘコムかも。そして、チラシのキャッチコピーに「スタンドバイ・ミー」を持ち出すのは、どうかなとも思う。同じ日に公開の「半落ち」といい、やるせない気持ちになる作品で今年の公開はスタートです。

オフィシャルサイト:http://mysticrivermovie.warnerbros.com/ (英語版)
          http://www.warnerbros.co.jp/mysticriver/ (日本語版)

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2004年1月9日 by p-movie.com