武士の一分

命をかけて、守りたい愛がある。 ★★★★☆
[06/日]2h01 12月1日より丸の内ピカデリー2ほかにて全国公開

[原作]遠藤周平
[監督]山田洋次
[脚本]山田洋次、平松恵美子、山本一郎
[出演]木村拓哉、壇れい、笹野高史、小林稔侍、緒形拳、桃井かおり、坂東三津五郎
[配給]松竹

「たそがれ清兵衛」「隠し剣、鬼の爪」に続く藤沢周平原作・山田洋次監督時代劇三部作の完結編。主役はご存知、木村拓哉。剣の技と学の道でも秀才として知られる三村新之丞を演じる。

毒見役という役職によって貝の毒で失明してしまう三村。職を失い親類も何もしてくれず、奉公に出た三村の妻は言葉巧みに言い寄る上士の島田が仕掛けた罠に落ちてしまった。それを知った三村の怒りは激しく燃え上がり、一分をかけた戦いを決意する。

三村の妻に元宝塚の壇れい、敵役の島田には坂東三津五郎という事で、クライマックスはキムタクと三津五郎の決闘シーン。このシリーズには、恒例のパターンだが、前二作と違うのは主人公から仕掛ける復讐劇であり、夫婦愛を描いた作品であること。完結編に、相応しい作品だ。「蝉しぐれ」もクライマックスは、壮絶な戦いだったけど藤沢周平原作はパターンが決まっているので期待して見れる。

オフィシャルサイト:http://www.ichibun.jp/

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2006年12月1日 by p-movie.com

THE 有頂天ホテル

究極のノンストップエンターテインメント ★★★★☆
[05/日]2h16 1月14日より東宝洋画系にて全国公開

[製作]亀山千広、島谷能成
[監督]三谷幸喜
[脚本]三谷幸喜
[出演]役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子、オダギリジョー、
    麻生久美子、YOU、戸田恵子、生瀬勝久、角野卓造、寺島進、唐沢寿明、
    津川雅彦、伊東四朗、西田敏行
[配給]東宝株式会社
[宣伝]東宝(株)宣伝部

「ラジオの時間」「みんなのいえ」に続く、三谷幸喜の監督三作目。タイトルは、1936年のミュージカル「有頂天時代」&1932年の「グランド・ホテル」を組み合わせたもの。あまりにもキャストが多いので、紹介はカット。

舞台は都内の高級ホテルの大晦日。ホテルで働く沢山の従業員達。総支配人、副支配人、アシスタント・マネージャー、客室係、ベルボーイ、表には見えない隠れたセクションで働く人々。パーティーのショーに出演するためにやって来る芸人達。そして様々な「訳あり」の宿泊客たち。汚職議員、大物演歌歌手、コールガール、愛人に会いに来た会社社長、訳ありなフライトアテンダント、副支配人の別れた妻。その夜、彼らに降りかかった信じられないような災難と奇跡。迷路のようなホテルの中で、それぞれの物語が同時進行で進んでいきます。そして物語は、クライマックスのカウントダウンパーティーへ。

ヨーロピアンクラッシックな佇まいのホテルを舞台に、大晦日から新年を迎えるまでをほぼリアルタイムで描く、ノンストップエンターテイメントムービー。「ターミナル」の飛行場のように、スタジオにホテルのセットを全て組み、短くても長いシーンでも1シーン1カットで撮影している。でも一番凄いのは、大河ドラマが撮れそうな程の豪華なキャスト陣。演劇・映画・ドラマで、三谷作品に関わった人達を含めて最高の出演者が集まった(中には、変なズラや特殊メイクで登場)。なんで、正月映画にしなかったの?

オフィシャルサイト:http://www.uchoten.com/

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2006年1月16日 by p-movie.com

ディック&ジェーン 復讐は最高!

カタルシスだぜ、人生は! ★★★☆☆
[05/米]1h30 12月24日より東急洋画系にて全国ロードショー

[製作]ブライアン・グレイザー、ジム・キャリー
[監督]ディーン・パリゾット
[脚本]ジャド・アパトゥ、ディーン・パリゾット、ニック・ストーラー
[出演]ジム・キャリー、ティア・レオーニ、アレック・ボールウィン
[配給]ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

[FUN WITH DICK AND JANE:全米公開2005年12月23日]
昨年の「ブルース・オールマイティ」に続いて、今回もジム・キャリーの作品がお正月に登場。作品は、1977年に公開されたジョージ・シーガル&ジェーン・フォンダ主演の「おかしな泥棒ディック&ジェーン」を現代に置き換えたリメイク作品。キャリーの妻役は、「ジュラシック・パーク」「さよなら、さよならハリウッド」のティア・レオー二。会社の社長役には、「パールハーバー」のアレック・ボールウィン。監督は、「ギャラクシー・クエスト」のディーン・パリゾット。

IT開発企業に勤務するディックは昇進するが、じつは会社はすでに破綻していて大恥をかく。社長はさっさとトンズラし、会社は倒産。妻のジェーンもタイミング悪く仕事を辞めていたので、ほどなくして貯金も底をつく。遂に夫婦は強盗をし始め、その手口は回をを重ねるごとに洗練されていく。そして、TVで倒産した会社の元社員が犯罪に手を染めて逮捕されているのを見た夫婦は、トンズラした社長から大金を奪う復讐計画を実行する。

相変らずのジム・キャリーのドタバタ作品。会社が倒産して、壊れていく様の演技はいつもながらクドイ。まあ、ラストは見ていて想像できる無難な作品で、これを見てもオリジナルは見てみようとは思えなかった。この作品は最近の作品には珍しく、上映時間は90分と短い。休憩を入れて2回上映しても、やっと「キング・コング」の1回分。長い映画も鑑賞が大変だが、短すぎるのもあっけなくて物足りない。

オフィシャルサイト:http://www.sonypictures.jp/movies/funwithdickandjane/

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2005年12月26日 by p-movie.com

SAYURI

ハリウッドが全世界に贈る、美の饗宴 ★★★★☆
[05/米]2h26 12月10日よりにて全国ロードショー

[製作]ルーシー・フィッシャー ダグラス・ウィック スティーブン・スピルバーグ
[原作]アーサー・ゴールデン
[監督]ロブ・マーシャル
[脚本]ロン・バス アキヴァ・ゴールズマン ロビン・スウィコード ダグ・ライト
[出演]チャン・ツィイー ミシェル・ヨー コン・リー 渡辺謙 役所広司 桃井かおり 工藤夕貴 大後寿々花
[配給]ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)、松竹

[Memoirs of a Geisha:2005年12月9日公開]
アーサー・ゴールデンのベストセラーになった「Memoirs of a Geisha」。この映画化権をスピルバーグが獲得したのだが、「ミュンヘン」の製作に取り掛かったため、「シカゴ」のロブ・マーシャルに監督を任せた。かくして、ハリウッドが製作したのに、メインキャストは東洋人だけという珍しい作品が完成した。出演は「パープル・バタフライ」のチャン・ツィイー、「シルバー・ホーク」のミシェル・ヨー、「愛の神、エロス」のコン・リー、「陽はまた昇る」の渡辺謙、「THE 有頂天ホテル」の役所広司、「IZO」の桃井かおり、「風の絨毯」の工藤夕貴、「北の零年」の大後寿々花。

貧しい漁村に生まれた少女・千代は、9歳の時に”花街”の置屋に売られる。そこには、千代と同じ境遇のおカボという少女と、花街一の売れっ子と評判の芸者、初桃がいた。親から引き離された寂しさ、下働きの辛さ、初桃の冷たい仕打ち…それは、幼い少女には過酷すぎる日々だった。全ての希望を見失った時、千代に運命の出会いが訪れる。ひとり涙に暮れる千代に、立派な身なりの紳士が優しく声をかけたのだ。会長と呼ばれるその男は、千代に涙をぬぐうハンカチと小遣いを手渡すと、連れの芸者たちと共に立ち去る。それはほんの一瞬ではあったが、千代にとっては、人生は辛く苦しいことばかりではないと思い出させてくれた、永遠の出来事だった。この日から、千代は心から芸者になりたいと願うようになる。芸者になれば、会長さんにもう一度逢えるかもしれない…そんな儚い願いが、彼女を芸者にする意欲を与える。

主役のチャン・ツィイーやミシェル・ヨーにコン・リーが、芸者として登場するので、日本語と英語のセリフがグチャグチャしているが、ありがちな変てこなシーンは特になく、無駄なキャストも特にいないし見応えのある作品に仕上がっている。ただ、いかにもな日本風の音楽がちょっと気になり(これは「ラストサムライの影響かも知れない」)、音楽がでかすぎて冒頭のセリフが聞き取り難い。これは、女性が見ると作法や計算高さを勉強できるし、男性には女性の怖さを勉強できるのでは。

オフィシャルサイト:http://www.movies.co.jp/sayuri/

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2005年12月12日 by p-movie.com

大停電の夜に

光が消える。あなたを感じる ★★★★☆
[05/日]2h 11月19日より丸の内ピカデリー2他にて全国松竹・東急系公開

[製作]荒木美也子
[原作]カリュアード(源孝志/相沢友子)
[監督]源 孝志
[脚本]カリュアード(源孝志/相沢友子)
[出演]豊川悦司、田口トモロヲ、原田知世、吉川晃司、寺島しのぶ、井川遥
    阿部力、本郷奏多、香椎由宇、田畑智子、淡島千景、宇津井健
[配給]アスミック・エース
[宣伝]アスミック・エース

[UNTIL THE LIGHTS COME BACK]
「東京タワー」の源監督による、なんとも珍しいオリジナル作品。出演は、「妖怪大戦争」の豊川悦司、「血と骨」の田畑智子、「MASK DE 41」の田口トモロヲ、「サヨナラ COLOR」の原田知世、「レディ・ジョーカー」の吉川晃司、「男たちの大和」の寺島しのぶ、「ヒナゴン」の井川遥、ドラマ「花より男子」の阿部力、「HINOKIO ヒノキオ」の本郷奏多、「真昼ノ星空」の香椎由宇、「シベリア超特急5」の淡島千景、「鳶がクルリと」の宇津井健。

東京がいちばん光輝くクリスマスイヴ。それぞれの事情を抱えた人々が聖夜を迎えようとしたとき、突然、街から灯りが消える。東京が暗闇に包まれる中、ラジオから東京を含む首都圏全域が大規模な停電に見舞われた臨時ニュースが流れる。そして、一年に一度の夜を待ち望む12人たちに、かつてない夜がはじまろうとしていた。

24日の夜から25日の朝までに起こった、停電の東京を舞台に12人が登場する6つのエピソードの群像劇。そのうちの幾つかのエピソードは途中で終り、トヨエツの経営するバーへやって来るのだが、2時間12分はちょっと長いかな。タイムリーなクリスマス時期に見たいとこだが、それまでには終わってしまうよう。

オフィシャルサイト:http://daiteiden-themovie.com/

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2005年11月21日 by p-movie.com