ハリウッドが全世界に贈る、美の饗宴 ★★★★☆
[05/米]2h26 12月10日よりにて全国ロードショー
[製作]ルーシー・フィッシャー ダグラス・ウィック スティーブン・スピルバーグ
[原作]アーサー・ゴールデン
[監督]ロブ・マーシャル
[脚本]ロン・バス アキヴァ・ゴールズマン ロビン・スウィコード ダグ・ライト
[出演]チャン・ツィイー ミシェル・ヨー コン・リー 渡辺謙 役所広司 桃井かおり 工藤夕貴 大後寿々花
[配給]ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)、松竹
[Memoirs of a Geisha:2005年12月9日公開]
アーサー・ゴールデンのベストセラーになった「Memoirs of a Geisha」。この映画化権をスピルバーグが獲得したのだが、「ミュンヘン」の製作に取り掛かったため、「シカゴ」のロブ・マーシャルに監督を任せた。かくして、ハリウッドが製作したのに、メインキャストは東洋人だけという珍しい作品が完成した。出演は「パープル・バタフライ」のチャン・ツィイー、「シルバー・ホーク」のミシェル・ヨー、「愛の神、エロス」のコン・リー、「陽はまた昇る」の渡辺謙、「THE 有頂天ホテル」の役所広司、「IZO」の桃井かおり、「風の絨毯」の工藤夕貴、「北の零年」の大後寿々花。
貧しい漁村に生まれた少女・千代は、9歳の時に”花街”の置屋に売られる。そこには、千代と同じ境遇のおカボという少女と、花街一の売れっ子と評判の芸者、初桃がいた。親から引き離された寂しさ、下働きの辛さ、初桃の冷たい仕打ち…それは、幼い少女には過酷すぎる日々だった。全ての希望を見失った時、千代に運命の出会いが訪れる。ひとり涙に暮れる千代に、立派な身なりの紳士が優しく声をかけたのだ。会長と呼ばれるその男は、千代に涙をぬぐうハンカチと小遣いを手渡すと、連れの芸者たちと共に立ち去る。それはほんの一瞬ではあったが、千代にとっては、人生は辛く苦しいことばかりではないと思い出させてくれた、永遠の出来事だった。この日から、千代は心から芸者になりたいと願うようになる。芸者になれば、会長さんにもう一度逢えるかもしれない…そんな儚い願いが、彼女を芸者にする意欲を与える。
主役のチャン・ツィイーやミシェル・ヨーにコン・リーが、芸者として登場するので、日本語と英語のセリフがグチャグチャしているが、ありがちな変てこなシーンは特になく、無駄なキャストも特にいないし見応えのある作品に仕上がっている。ただ、いかにもな日本風の音楽がちょっと気になり(これは「ラストサムライの影響かも知れない」)、音楽がでかすぎて冒頭のセリフが聞き取り難い。これは、女性が見ると作法や計算高さを勉強できるし、男性には女性の怖さを勉強できるのでは。
オフィシャルサイト:http://www.movies.co.jp/sayuri/