最後の恋,初めての恋

永遠の愛を信じたいと願う恋人たちへ ★★★☆☆
[03/日・中]1h58 12月20日よりシネスイッチ銀座&シネ・リーブル池袋ほかにて全国公開

[製作]牛山拓二
[監督]当摩寿史
[脚本]当摩寿史 長津晴子 山村祐二
[出演]渡部篤郎 シュー・ジンレイ ドン・ジェ チェン・ボーリン 松岡俊介 津田寛治 筧利夫 石橋凌
[配給]松竹
[宣伝]ムービーアイ・エンタテインメント

[涙と感動のラブ・ストーリー:最后的愛 最初的愛]

上海を舞台にオールロケーションで製作された日中合作の感動ラブストーリー。出演者は、「大河のー敵」の渡部篤郎、「スパイシー・ラブスープ」のシュー・ジンレイ、「至福の時」の ドン・ジェ、「藍色夏恋」のチェン・ボーリン、「白痴」の松岡俊介、「Is-A」の津田寛治、「命」の筧利夫、「AIKI」の石橋凌と、日・中・台から集められた。監督は「うつつ」の当摩寿史。

2003年の上海。日本の自動車メーカー、イムラ自動車の東京本社から上海支社に転任してきた早瀬高志には、辛い過去があった。婚約者が早瀬の親友の滝本の車に同乗中に事故死したのだ。あれから半年、愛と友情に同時に裏切られた早瀬の傷口は、相変わらず無残に開いたままだった。ホテルで睡眠薬を飲み過ぎた早瀬は、フロント係のミンに助けられる。それが二人の初めての出会いだった。会社から、中国語研修を受けるように命じられた早瀬は、任された上海大学の学生リンと出会う。リンの招待で家に招かれた早瀬は、ミンと会う。なんと二人は姉妹だった。明日への希望に満ち溢れた上海の街が、硬く凍りついていた早瀬の心を溶かし始める。

人と人との触れ合いが傷ついた魂を再生させ、そこで生まれた真実の恋が、愛という永遠に代わる過程を慈しむように描いた物語。死をも超えて行き続ける愛の存在を、もう一度信じてみようという。なんとも言いようがない物語であるのだけれどもね。でも、こういうキャラクターを得意としている渡部篤郎には、ピッタリの作品ではある。製作したムービーアイ・エンタテインメントは、これからも日中合作映画を年に 1本のペースで製作していくそう。東京国際で、2本の作品(1本は監督も兼任)が上映されたシュー・ジンレイは、現代中国4大女優の一人。ちなみに、あとの3人はチャン・ツィイー、「少林サッカー」のビッキー・チャオ、「中国のお針子」のジョウ・シュンです。

オフィシャルサイト:http://www.movie-eye.com/saigonokoi/index.html

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2003年12月22日 by p-movie.com

ほえる犬は噛まない

ユーモアたっぷり新感覚ムービー ★★★★☆
[00/韓]1h50 10月18日よりユーロスペースにてロードショー

[製作]チョ・ミンファン
[監督]ポン・ジュノ
[脚本]ポン・ジュノ ソン・テウン ソン・ジホ
[出演]ペ・ドゥナ イ・ソンジェ
[配給]ファイヤークラッカー
[宣伝]グアバ・グアポ

[HOTするキュートなムービー:Barking Dogs Never Bite 同床異夢]

数々の映画祭で上映され大反響を巻き起こし、遂に一般公開が決まった韓国から届いたユーモアたっぷりでちょっと変わった新感覚ムービー。監督は今年新作の「殺人の追憶 (原題)」(来年公開)が、大ヒットで社会現象を巻き起こしたポン・ジュノ。出演は秋の東京国際映画祭の”アジアの風”で上映される「リング」の韓国版リメイク「リング・ウィルス」で貞子に当たる役を演じたペ・ドゥナと「美術館の隣の動物園」「エンジェル・スノー」のイ・ソンジェ。タイトルはことわざで、意味は”口やかましい者ほど、実行が伴わない”。韓国のタイトルは「フランダースの犬」。

フリーターのような生活をしているヒョンナムは、中流家庭の住む閑静なマンションの管理事務所で経理をしている。いつもはゆる~い日々を過ごしているヒョンナムだが、飼ってはいけない子犬失踪事件が発生したことから、日頃忘れていた小さな正義感に火がついた。行方不明犬のビラを街中に貼るが、失踪犬は後を絶たない。ヒョンナムの非力さと天然ぶりを心配する親友の警告も耳に入らず、犯人を捕まえて市民栄誉賞を取ってテレビ出演するためにムダの多い失踪が始まる。

予測できない展開が次々と巻き起こり、コミックのようなトボケタ登場人物が絶妙に笑える。さあー、日頃ゆる~い日々を過ごしているそこのあなた、ヒョンナムを応援しに行こう!

オフィシャルサイト:http://www.hoeruinu.com/

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2003年10月18日 by p-movie.com

インファナル・アフェア

真実ほど、疑わしきものはない。 ★★★★☆
[02/香]1h42 10月11日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー

[製作]アンドリュー・ラウ
[監督]アンドリュー・ラウ アラン・マック
[脚本]アラン・マック フェリックス・チョン
[出演]アンディ・ラウ トニー・レオン アンソニー・ウォン エリック・ツァン ケリー・チャン エディソン・チャン
[配給]コムストック
[宣伝]コムストック

[香港ノワール・壮絶ドラマ:Infernal Affairs]

香港で02年の年間興行成績第1位はじめオープニング興収、上映館数など数々の歴代記録を更新した大ヒット作。既に3部作の製作が決定。2作目が1作目から遡る形で前章で、 3作目が1作目の続編になる。勿論、ハリウッドでのリメイクが決まっていて、ワーナー・ブラザースが獲得。ブラッド・ピッドの出演が決まっている。出演は「ファイターズ・ブルース」のアンディ・ラウ、「HERO」のトニー・レオン、「ドリフト」のアンソニー・ウォン、「不夜城」のエリック・ツァン、「冷静と情熱のあいだ」のケリー・チャン、 「ファイティング・ラブ」のサミー・チェン、「ジェネックス・コップ2」のエディソン・チャン。監督は「ブルー・エンカウンター」のアンドリュー・ラウ と「ファイナル・ロマンス」のアラン・マック。

マフィアの組員となった18歳のラウは、ボスであるサムの指示で香港警察に入る。サムが提供する敵対組織の情報を駆使して、ラウは10年後に内部調査課(CIB)の課長に昇進、ベストセラー作家メリーとの結婚の日も内定し、幸福の全てを手に入れたかのように見えた。また、サムもラウのおかげで、マフィアの最大勢力のボスとなっていた。一方、ラウと同じ警察学校に通っていたヤンは、組織犯罪課(OCTB)のウォン警視に類まれな洞察力を評価され、潜入捜査官を命じられ、サム率いるマフィアへ潜入する為に、学校を強制退学させられる。その後の活躍でヤンはサムの信頼を得て麻薬取引を任されるまでになった。しかし、ヤンは長年にわたる内通捜査で自分が何者なのかを見失い、精神科医リーに治療を受けるほどに心を病んでいた。いつしかヤンは自分の秘密を打ち明ける程、彼女を愛し始めていた。ある夜、ヤンから大きな麻薬取引を行うとの情報を得たウォン警視は、水面下で捜査を始めるが、同時に警察の動きがラウからサムのもとにも伝わり、検挙も取引も失敗に終わる。双方に内部潜入者がいることが明らかになり、二人は裏切り者を探し出すことを命じられる。そして遂に、二人の運命が交叉する時がやってくる。

チョウ・ユンファが、香港で活躍していた頃を彷彿させる香港ノワール超大作。息詰まる警察とマフィアの頭脳戦略は、見応え充分。主役の2人は言うまでもなく、助演のアンソニー・ウォンとエリック・ツァンの演技がいい。花を添えるケリー・チャンとサミー・チェンも印象を残す。コピー通り、まさに女も惚れる本物の男のドラマ。ラストも衝撃の展開。

オフィシャルサイト:http://www.comstock.co.jp/infernal.html

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2003年10月13日 by p-movie.com

HERO

真のヒーローは誰だ! ★★★★☆
[02/中]1h39 8月16日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー

[製作]ビル・コン チャン・イーモウ
[原案]リー・フェン チャン・イーモウ ワン・ビン
[監督]チャン・イーモウ
[脚本]リー・フェン チャン・イーモウ ワン・ビン
[出演]ジェット・リー トニー・レオン マギー・チャン チャン・ツィイー ドニー・イェン チャン・ダオミン
[配給]ワーナー・ブラザース
[宣伝]ムービーテレビジョン キャシディ

[映画史上に残る超大作:HERO 英雄]

三大映画祭で既に各賞を制覇している「紅いコーリャン」「あの子を探して」「初恋の来た道」のチャン・イーモウ監督のアジアの枠を集めた記念碑的エンターテイメント。出演は「ブラック・ダイヤモンド」のジェット・リー、「花様年華」のトニー・レオン&マギー・チャン、「グリーン・ディスティニー」のチャン・ツィイー、「ブレイド2」の ドニー・イェン、「続・西太后」のチャン・ダオミン。撮影はお馴染みのクリストファー・ドイル。衣装はワダ・エミ。アクション監督に「スパイダーマン」「少林サッカー」のチン・シウトン。CGは、マトリックスのチーム。

物語の舞台は紀元前200年、戦乱のさなかにある中国。後の始皇帝、秦王を恐れさせる当代きっての 3人の刺客を討ち取ったとして一人の男が秦王への謁見を許される。彼の口から語られる驚愕の物語―幾重にも謎を含むその物語は二転三転し、やがて驚くべき真実が明らかになる。

西のマトリックス&東のHEROと呼ばれるほど映像は驚くほど綺麗だが、物語は非常に難解な作品。だが 5つの色を基調としていて、これを憶えておくと少しは理解可能。赤=激情と嫉妬(ジェット・リーが始皇帝に語る偽り)。藍色=ロマン(異論を唱える始皇帝が想像する真実)。白=ジェット・リーが語る真実。緑=回想(トニー・レオン&マギー・チャンのエピソード)。黒=神秘。これは画面だけでなく、セットやワダ・エミの衣装にも見られる。アジアでの公開は、日本がほぼ最後に近い公開となったが、これはFOXからワーナーに配給が移った為。

オフィシャルサイト: http://www.hero-movie.jp/

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2003年8月18日 by p-movie.com

ジャンダラ

タイ文学最高傑作を映画化 ★★★★☆
[01/泰]1h53 5月31日よりテアトル新宿にて官能のロードショー

[製作総指揮]ピーター・チャン
[原作]ウッサナ・フェレンサン
[監督]ノンスィー・ニミブット
[脚色]ノンスィー・ニミブット
[出演]クリスティ・チョン スウィニット・バンジャワット サンティスック・プロムシリ
[配給]ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ
[宣伝]メディアボックス

[タイ官能文芸大作:JAN DARA 晩嬢 タイ公開2001年9月28日 【R-18】]
タイで社会現象を巻き起こし、実現不可能をと思われた官能文芸大作を「ナンナーク」のノンスィー・ニミブット監督が映画化。製作総指揮は「君さえいれば」「ラヴソング」のピーター・チャン。出演は「ジェネックス・コップ2」のクリスティ・チョン、「快盗ブラック★タイガー」のスウィニット・バンジャワット、「ムアンとリット」のサンティスック・プロムシリ。

1930年代のバンコク。ジャンダラの出産で最愛の妻を亡くした父のクルンワンは、妻の命を奪ったジャンダラを使用人以下の扱いをしていく。クルンワンは、周りの女たちを絶対的な権力で押さえ人目もはばからずハーレムを作り出す。それはジャンダラの心に深く記憶されていく。15歳のジャンダラは、使用人の計らいではじめて異性の身体を知る。そして、屋敷にやって来た継母クンビーの妖艶な美しさに次第にのめり込んでしまう。やがて彼は自らが最も嫌悪する父親に近づいていく。そして彼の出生には、非常に衝撃的な事件が隠されていた。

当時の文化や風俗を忠実に再現した妖艶な作品。今までのタイ映画の中でも、最も過激な作品だが、日本では完全版での上映。主演女優はタイでは引き受ける女優が見つからず、ピーター・チャンがクリスティにオファーした。しかし、この作品からタイでも脱げる女優が増え、この映画が火付け役になっている。だが、監督はこの作品を撮るにあたってかなり悩み、自ら演劇学校に通ったとか。

オフィシャルサイト: http://www.gaga.ne.jp/jandara/

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2003年5月30日 by p-movie.com