ペパーミント・キャンディー

甘酸っぱくて、かなりほろ苦味 ★★★★☆
[99/日本・韓国] 2h09 テアトル池袋&キネカ大森にて公開中

監督:イ・チャンドン
脚本:イ・チャンドン
出演:ソル・ギョング ムン・ソリ キム・ヨジン
配給・宣伝:アップリンク
提供:NHKエンタープライズ21

韓国と日本が共同で文化事業に取り組んだ記念すべき最初の映画。ある男の人生に起きた出来事の時間を20年間もさかのぼりながら描いていく。主演は「ディナーの後に」のソル・ギョング。監督はデビュー作、ハン・ソッキュ出演の「グリーン・フィッシュ」が11月4日からレイトショーされるイ・チャンドン。

1999 年春。鉄橋の上で自暴自棄になったヨンホの脳裏に過去の記憶がよみがえる。3日前、危篤状態にある初恋の相手にペパーミント・キャンディーの瓶を持って見舞いに行くヨンホ。その4年前、35歳のヨンホは事業で成功を収め忙しい毎日を送っている。だが妻は不倫中でヨンホも愛人と密会していた。その7年前、新婚の新婚時代。更に3年前、新米刑事のヨンホ。それから4年前の兵役に就いていた頃のヨンホ。そして20歳のときに過去を回想する鉄橋の高架下で初恋の相手に自分の将来を語たるヨンホへと記憶は戻っていく。

物語の主軸になっているのは主人公の初恋に韓国の政治情勢が、歴史的かつ社会的な力として及んでいるということ。それが物語の構成として主人公の変貌の様に現れている。「シュリ」の公開から韓国映画の日本公開が増えてきたが、似たような作品はなくジャンルは様々。ほかのアジア映画は国によって大体の特徴が見えてきたが、韓国だけはいまだに見えてこない。侮れないゾ韓国映画。

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2000年10月30日 by p-movie.com

あの子を探して

99年ヴェネチア映画祭グランプリ受賞 ★★★★☆
[99/中国] 1h46 7月1日より渋谷bunkamura ル・シネマにて公開

監督:チャン・イーモウ
出演:ウェイ・ミンジ チャン・ホエクー
配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
宣伝:樂舎

中国の巨匠チャン・イーモウが2度目のヴェネチア映画祭金獅子賞(グランプリ)に輝いた心温まる作品。今までの監督作品はコン・リー主演の芸術作品だったが、今回は一人もプロの俳優を使うことなく全て素人をキャスティングして作り上げた、シンプルだがテーマ性の強い感動作品である。なお、この作品は、コロンビア ピクチャーズ フィルム プロダクション アジア提供でソニー・ピクチャーズが初めてミニ・シアター系で公開する映画になった。

中国の田舎町にあるシュイチアン(水泉)小学校のカオ先生が病気になった母親の看病をするために、村長は代わりに子供たちの面倒を見る代理教員に中学も満足に卒業していない13歳の女の子ウェイ・ジンミンを連れてくる。小学校は40人いた生徒が家庭の事情により、今では1年から4年まで28人になっていた。もし留守の間に誰も辞めなければ報酬を10元増やすと約束され、ウェイはしぶしぶ引き受ける事にする。彼女は一日の大半を教室のドアの外に座って生徒が逃げ出さないように見張って過ごすことになった。しかし早くも事件勃発、なんと足の速い女の子がスカウトされて町に行ってしまったのだ。そして追い打ちをかけるようにクラスの悪ガキでチャン・ホエクーが家計を助けるために町に出稼ぎに行ってしまった。これでは報酬が貰えない。しかし町に行くにはバス代がいるしお金がない。ウェイは生徒と煉瓦運びをしてお金を稼いでどうにかチャンを捜しに町に行く。しかし、チャンは行方不明になっていた。チャンは何処に行ったんだろう? ウェイのあてのない旅が始まった。

なんともイラン映画のようなシンプルなストーリーに、これでグランプリとはチャン・イーモウずるいな、と思ったがやはり少年を捜す方法がいかにも広い中国だけあって納得。しかも貧しい村では学校の備品もままならなかったり、家庭の事情から満足に学校にも行けない子供が多いと社会情勢までも取り入れたテーマ性に感銘を受けた。まもなく監督の記者会見の模様をホームページに掲載しますので興味のある方はそちらもご覧下さい。

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2000年7月3日 by p-movie.com