デュエット

アメリカ版「のど自慢」 ★★★★☆
[00/米] 1h52 9月29日よりシネマ・カリテにてレイト・ロードショー

監督:ブルース・パルトロウ
脚本:ジョイン・バイラム
出演:グウィネス・パルトロウ ヒューイ・ルイス ポール・ジャマッティ マリア・ベロ
配給:HRSフナイ
宣伝:クレストインターナショナル

[カラオケ・ロード・ムービー:DUETS]

グウィネスの実父ブルース・パルトロウが、当時交際中だったグウィネスとブラッド・ピットで制作しようとした作品が、装いも新にじっくりと練られて作られた作品。出演は「ショート・カッツ」のヒューイ・ルイス、「猿の惑星」のポール・ジャマッティ、「コヨーテ・アグリー」のマリア・ベロ、「オーロラの彼方へ」のアンドレ・ブラウアー

今や世界共通語となったカラオケ。なんとこの作品、賞金5000ドルの懸かったスーパー・カラオケ大会に出場する人達の悲喜交々も描いたロード・ムービー。アメリカは広い、カラオケを知らない人もいれば、カラオケ大会を荒らして賞金を稼ぎながら旅をしている奴もいる。登場人物は全部で3組。まずは賞金稼ぎのスージーに、彼女がバーで知り合ったタクシー運転手のビリー。ビリーは恋人が共同経営者の友人と寝ていたのを見て、スージーと共にタクシーで大会へ向かう。続いてプロのカラオケ・ハスラーで毎週駆けずりまわるリッキー、彼は別れた妻の葬儀で自分に娘のリヴがいた事にビックリ。そそくさと逃げ出したリッキーをリヴが追いかけて来て一緒に賞金稼ぎに精を出すことに。この親娘を演じるのが、ヒューイ・ルイスとグウィネス・パルトロウ。最後は営業であちこち飛び回り、家でも家族に無視されているトッド。彼は始めてカラオケを知り、仕事も家庭も捨てて賞金稼ぎになることに。道中、ヒッチハイクをしていたレジーを乗せるが彼は脱獄囚だった。

果たしてプロのカラオケ・ハスラーが存在するのかは知らないが、この設定は面白い。作品は「のど自慢」同様に 出演者の心の葛藤と闘いを描いていくのだが、やはり注目は脱獄囚のレジー。彼の存在が映画の中でも一番大きい。充分平日興行でもいけるのにレイト・ショー公開のみは、すごく勿体無い。

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2001年10月1日 by p-movie.com

ブリジッド・ジョーンズの日記

独身女性の本音を見事に代弁 ★★★★☆
[01/米] 1h37 9月22日より日劇プラザほか全国東宝洋画系全国にてロードショー

原作:ヘレン・フィールディング(ソニー・マガジンズ)
監督:シャロン・マグワイア
脚本:ヘレン・フィールディング アンドリュー・デイヴィス リチャード・カーティス
出演:レニー・ゼルウィガー ヒューグラント コリン・ファース
配給:UIP
宣伝:UIP

[30 代女性シングル・ライフ・ムービー:Bridget Jone's Diary R-15]

1995 年イギリスの新聞”インディペンデント”に、ロンドンで暮らす30代独身女性ブリジット・ジョーンズの架空の日記がコラムとして連載された。このコラムは瞬く間に大反響を呼び、96年に小説として刊行され 6ヶ月連続で1位を飾る爆発的な売上げを記録、ロンドンのOLたちの通勤必須アイテムとなった。その後、世界23カ国で翻訳、500万人以上の女性を夢中にさせ映画化が実現した。主役には芸達者な英国女優のケイト・ウィンスレット、エミリー・ワトソン、ヘレナ・ボナム=カーターらが挙がったが、選ばれたのは「ベティ・サイズモア」でゴールデン・グローブ賞最優秀主演女優賞を受賞したレニー・ゼルウィガー。レニーは吸えないタバコを吸って体重を9Kgも増やして役作りした。共演は、「ノッティングヒルの恋人」「フォー・ウェディング」のヒュー・グラントと「恋におちたシェイクスピア」「イングリッシュ・ペイシェント」のコリン・ファース。ブリジットの父親を演じるのは「クライング・ゲーム」「ムーラン・ルージュ」のジム・ブロードベント、母親は、「いつか晴れた日に」「オスカー・ワイルド」などのジェマ・ジョーンズ。監督は、ドキュメンタリーやTVCMの分野で実績を誇るシャロン・マグワイア。彼女はブリジットの友人役のモデルになっている。脚本は、原作者ヘレン・フィールディングと、「テイラー・オブ・パナマ」のアンドリュー・デイヴィス、「フォー・ウェディング」「ノッティングヒルの恋人」のリチャード・カーティスが共作。

ロンドンのアパートで独り暮らしのブリジット・ジョーンズは32歳で出版社勤務。今年の元旦は、またもや二日酔いだった。夜に実家で開かれたパーティでは、娘を心配する母親にバツイチで幼なじみの弁護士マークを紹介されるが、お互いの印象は最悪だった。ブリジッドは、「日記をつけ、体重とお酒とたばこを減らし、素敵な恋人を見つけよう!」と新年の決意を固めた。やがて会社の上司ダニエルと恋人同士になるが、ブリジッドは彼の浮気現場を見てしまう。しかもダニエルは翌日に婚約を発表した。意気揚々と退社したブリジッドは、報道番組のテレビリポーターへ転職。仕事で取材に行った裁判所でマークに会い、彼の手助けで独占取材をものにする。自分の誕生日の夜、親友たちをもてなそうと慣れない料理に悪戦苦闘しているとマークが取材成功を祝いにやって来た。しかしそこにダニエルがやってきて、許しを請い、熱烈に愛を告白したからマークは激怒。ふたりは、取っ組み合いの大喧嘩に。その時ブリジッドはマークが何故怒り爆発したのか理由を知らなかった。

「デンジャラス・ビューティー」のサンドラ・ブロックもそうだったが、ブリジット・ジョーンズ役のレニー・ゼルウィガーも自分のカラーを壊して、限りなくだらしないキャラクターに徹底して挑んでいるのがいい。主役を貼れる女優生命は短いというが、恥ずかしがらずに自分を何処まで捨てられるかの女優魂発揮で生き残れそうだ。この映画の面白いのは、シーンの最後に必ずオチが付いていて、それが全て笑える所。多分、これはジョークに定評のあるリチャード・カーティスの脚本によるものだと思うが、コメディー映画はこれを見習うべき。都会に住む30代独身女性のイメージで使われているブリジッドのカジュアルなファッションも見逃せない。この冬はデカパンがブレイクか?。

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2001年9月23日 by p-movie.com

キス・オブ・ザ・ドラゴン

ジェッド・リー、ベッソンと組む ★★★☆☆
[01/米・仏] 1h38 8月25日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー

制作:リュック・ベッソン
監督:クリス・ナオン
脚本:リュック・ベッソン ロバート・マーク・ケイメン
アクション監督:コーリー・ユエン
出演:ジェッド・リー ブリジッド・フォンダ チェッキー・カリョ
配給:K2/日本ビクター
宣伝:ドラゴンキッカー

[巻き込まれヒーロー・アクション:Kiss of the Dragon]

ジョエル・シルバーにハリウッドへ招かれ「リーサル・ウエポン4」「ロミオ・マスト・ダイ」に出演したジェッド・リーが、今度はリュック・ベッソンと組んでフランスを舞台にアクション映画を撮りあげた。共演は「二キータ」のハリウッド・リメイク版「アサシン」のブリジッド・フォンダに、「二キータ」「ブレイド2」のチェッキー・カリョ。脚本は「フィフス・エレメント」でベッソンとコンビを組んでいるロバート・マーク・ケイメン。監督はCM制作からこれで長編デビューを飾ったクリス・ナオン。ベッソンは10本監督したら辞めると言った通り、制作と脚本にまわり、次々と新人監督の育成に励んでいるし、ついに自分の製作会社を設立した。

フランスで麻薬密売を企てている中国人ギャングの逮捕に協力するために、中国から秘密捜査官のリュウが選ばれた。早速、取引現場のホテルで捜査の指揮をとるフランス警察のリチャード警部と合流。捜査に加わるが、ギャングのボスは取引そっちのけで娼婦を連れこんだ。だが娼婦の一人がボスを殺そうとした。止めに入ったリュウだったが、そこへリチャードも駆けつけ不必要だからとリュウから預かった拳銃でボスと娼婦を殺してしまう。罠にはめられたリュウはどうにかリチャードが撃ち殺す瞬間が録画されたテープを持って逃げ出す。唯一の見方だった中国大使館員を殺されテープも奪われたリュウは、現場に居たもう一人の娼婦のジェシカと出会う。リュウは事件の証言を頼もうとするが、彼女にはリチャードに奪われている娘がいて救出と引き換えに協力することを約束する。

腐敗したフランス警察捜査官に罠へ落とされ、殺しの罪を着せられた、結婚もせず任務に一筋だった中国の秘密捜査官が、人に裏切られ傷ついている娼婦と出会い名誉と愛と真実を取り戻すために壮絶な闘いに挑むアクション満載映画。まさにジェッド・リーのために作られた作品。今回はワイヤー・アクションやCGを一切使わずに(敵は使ってる)、ジャッキーと同じくその場にあった小道具を武器にしたり、ファイトシーンをシンプルにしてリアリティを追求してる。そして忘れちゃいけないのが、リュウの武器である腕に付けている待ち鍼。これを相手のツボに刺して動きを止めるという漫画のようなウラ技には、かなり笑える。それにしてもベッソンは、厨房やダストを使うのが好きだよね。

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2001年8月27日 by p-movie.com

ドリヴン

危険と興奮に満ちたカーレースの世界 ★★★☆☆
[01/米] 1h57 8月18日より渋谷東急&丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系
にて超拡大ロードショー

制作:レニー・ハーリン シルベスター・スタローン エリー・サマハ
監督:レニー・ハーリン
脚本:シルベスター・スタローン
出演:シルベスター・スタローン キップ・パルデュー バート・レイノルズ ティル・シュワイガー エステラ・ウォーレン ジーナ・ガーション ロバート・ショーン・レナード クリスチャン・デ・ラ・フュエンテ
配給:日本ヘラルド/松竹
宣伝:日本ヘラルド/松竹

[アドレナリン・バリバリ・ムービー:DRIVEN]

「クリフハンガー」から8年ぶりにレニー・ハーリンとスタローンがタッグを組んで、インディーCARTの世界を描いたリアル体感型ムービー。出演は「タイタンズを忘れない」のキップ・パルデュー、「ブギー・ナイツ」のバート・レイノルズ、「ノッキン・オン・へヴンズ・ドア」のティル・シュワイガー、「PLANETOF THE APES/猿の惑星」のエステラ・ウォーレン、「フェイス/オフ」のジーナ・ガーション、「いまを生きる」ロバート・ショーン・レナード、ボン・ジョヴィと共演したヴァンパイアものを撮り終えたばかりのクリスチャン・デ・ラ・フュエンテ。

時速400キロを超えるマシンとドライバーが織りなす苛烈なモーター・スポーツの世界「インディーCART」。今年もまたシーズンが開幕した。昨年度のチャンピオン、ボー・(シュワイガー)は快進撃を続けていたが、無名のルーキー、ジミー(パルデュー)が、トップに躍り出る。だが、ジミーは熱血プロモーターの兄、デミル(ショーン・レナード)からの猛烈なプレッシャーに押しつぶされ、どこか不安定だ。一方、ボーは、レースに集中するあまり、恋人のソフィア(ウォーレン)を振ってしまう。ジミーにチームの命運を託しているベテランのチーム・オーナー、カール(レイノルズ)は、かつての相棒でもあった花形ドライバーのジョー(スタローン)のカを借りる事にする。ジョーは、ジミーのためのサポート・ドライバーとなって、彼を優勝に導いて欲しいとカールに頼まれ、しぶしぶ引き受けた。

豪華な共演陣が登場するのだが、どいつもこいつも自分に都合のいいことしか考えていない奴らばっかり、特に女性陣の描かれ方は酷すぎで下げマン揃い。なのに、最後には全ていい人で終わらせてしまうのがいかにもスターローン脚本らしいのだけど。レース・シーンやクラッシュ・シーンはCGと編集と音楽で楽しく見せてくれるし、キップがウォーレンに振られイジケてCARTに乗り走り出し、スターローンがそれを追いかける公道チェイスは、音速でガラスは砕けるは、マンホールは飛ぶわで迫力あり。是非暑気払にどうぞ。

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2001年8月20日 by p-movie.com

セイブ・ザ・ラストダンス

失った夢をつかみ取れ! ★★★★☆
[00/米] 1h53 8月11日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

原作:デュエイン・アドラー
監督:トーマス・カーター
脚本:デュエイン・アドラー シェリル・エドワース
出演:ジュリア・スタイルズ ショーン・パトリック・トーマス テリー・キニー
配給:東宝東和
宣伝:トライアル

[HIPなラブ・ストーリー:SAVE THE LAST DANCE]

「キャスト・アウェイ」を押しのけて、全米で2週連続No.1に輝いたMTVが制作したダンス&ラブ・ストーリー。出演は「デビル」でハリソンの娘を演じたジュリア・スタイルズ、「ドラキュリア」のショーン・パトリック・トーマス、「スリーパーズ」のテリー・キニー。監督は「ネゴシエーター」のトーマス・カーター。ヒップホップの振付&演出に大物スターの振付師として有名なファティマ。

バレエをこよなく愛し、名門音楽院への進学を夢見ているサラは、オーディションの最中に母親を交通事故で亡くしてしまう。自分のせいで母を失ってしまったと思い込んだ彼女は絶望のあまり夢をあきらめ、幼い頃に別れたミュージシャンの父親とシカゴのサウスサイドに住むことになる。黒人がほとんどを占める高校の中で白人生徒のサラは、母親の死というまだ生々しい記憶と戦いながらも、校内でも人気のあるシェニールと親しくなる。シェニールは未婚の母で、ハンサムな弟デレクは医者を目指しているという。彼はダンスも上手くてサラをヒップホップという新しい世界へと連れ出す。ヒップホップのスタイルや新しいステップの練習を通じて互いに惹かれていく。しかしデレクのこの新しい恋は、幼いときからの親友で、いまや暴力的な地元のギャング団の一員となった友人から猛烈な反対をうける。白人の彼女との付き合いを周りから反対されながらもデレクはサラに、一度はあきらめたバレエヘの夢に再挑戦するよう説得するが、2人にはさらなる問題が待ち受けていた。

今年はやたらとダンス作品が目立つが、この作品はただのダンス青春映画ではなく、最近の若い世代にありがちの集団グループの対立や未婚の母という状況や、白人と黒人恋愛の難しさという人種問題を取り入れて見応えあり。サラがいつまでもくよくよしているのとバレエをしていたには体型が小太りなのが気になるが、爽やかな感動を与えてくれる。

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2001年8月11日 by p-movie.com