ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

痛烈にして愛に満ちたイマジネーション ★★★★☆
[01/米]1h49 9月7日よりシネスイッチ銀座、恵比寿ガーデンシネマズほか全国順次ロードショー

製作:ウエス・アンダーソン、バリー・メンデル、スコット・ルーディン
監督:ウエス・アンダーソン
脚本:ウエス・アンダーソン、オーウェン・ウィルソン
出演:ジーン・ハックマン アンシェリカ・ヒューストン ベン・ステイラー グウィネス・パルトロウ ルーク・ウイルソン オーウェン・ウィルソン ビル・マーレー ダニー・グローバー
配給:ブエナビスタインターナショナル(ジャパン)
宣伝:ムービーテレビジョン

[悲劇と喜劇が隣り合わせの《家族の再生》物語:The Royal Tenenbaums]
ニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする有力メディアがこぞって《2001年度ベスト・ムービー》に選び、世界中の映画ファンの圧倒的な支持を集めた話題作が遂に日本で公開。出演者はとても豪華で「ザ・プロフェッショナル」のジーン・ハックマン、「バッファロー’66」のアンシェリカ・ヒューストン、「ズーランダー」のベン・ステイラー、「愛しのローズマリー」のグウィネス・パルトロウ、「キューティ・ブロンド」のルーク・ウイルソン、「エネミー・ライン」のオーウェン・ウィルソン、「チャーリーズ・エンジェル」のビル・マーレー、「リーサル・ウェポン」シリーズのダニー・グローバー、そしてナレーションを務めているのはアレック・ボールドウィン。監督は、ベンとオーウェンと仲の良いウエス・アンダーソン。共同で脚本を書いた監督とオーウェン・ウィルソンは、アカデミー賞脚本賞にノミネートされている。

有能な弁護士であるロイヤルと、考古学者である妻エセルには、3人の子供がいたが「性格の不一致」を理由に別居した。長男チャスは子どもの頃から不動産売買に精通し、10代にして国際金融に並外れた能力を発揮する〈天才〉だった。長女(養女)のマーゴは少女の頃から戯曲の才にあふれ、10代前半で5万ドルの懸賞金を得た〈天才〉だった。次男リッチーはテニス・プレイヤーで、全米ジュニア選手権で前人未到のV3を達成し、将来を嘱望されプロデビューを果たした〈天才〉だった。「天才一家」と呼ばれたテネンバウム家だったが、しかし夫婦・家族による22年間に渡る裏切りと失敗と絶望と悲観と災難で「天才一家」はいつしか「天災一家」へと変転する。そして、いま、この「世界で一番自分勝手な男」ロイヤルが「もう一度、家族でやり直したい」と言い出した。22年ぶりの冬、テネンバウム家に思いがけない転機が訪れる。果たして、家族の再生はなるか…。

なんとも不思議で楽しいコメディー。むかし松竹が得意としていたハチャメチャ・ホームドラマにも似ているし、ジョン・アーヴィングの世界にもかなり似ている。オープニングは3人の子供の回想シーンから始まるのだが、この子役たちがソックリ。ベン・ステイラーの息子たちまでソックリだ。どうして日本はこれが出来ないんだろう?これだけ個性の強い登場人物を豪快に纏めてしまうウエス・アンダーソン監督は天才かもしれないと思ったら、次回作はベンとオーウェン共演の「刑事スタスキー&ハッチ」の映画化だとか。そんなに長く待てないよと、言う方は同じく2人が共演した「ズーランダー」(9月14日公開)をどうぞ。

オフィシャルサイト: http://bventertainment.go.com/movies/royal/

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2002年9月9日 by p-movie.com

バイオハザード

悪夢のようなサバイバル戦 ★★★☆☆
[02/独・英・米]1h41 8月31日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー

製作:ポール・アンダーソン ジェレミー・ボルト ベルント・アイヒンガー サミュエル・ハディダ
原案:カプコン「バイオハザード」
監督:ポール・アンダーソン
脚本:ポール・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ ミシェル・ロドリゲス エリック・メビウス ジェームズ・ピュアフォイ
配給:アミューズピクチャーズ
宣伝:アミューズピクチャーズ

[アクロバティックなアクション・ムービー:Resident Evil]
世界中で2,000万本を超える売上を記録した同名ゲームシリーズの映画化で、早くもシリーズ化決定。「モータル・コンバット」「イベント・ホライゾン」「ソルジャー」のポール・アンダーソン監督は、トム・クルーズ製作・主演最新作『Death Race 3000』や「エイリアンVSプレデター」に指名されている。全米では「アイスエイジ」に次ぐ興行成績第2位でスタートし、ヨーロッパでは初登場1位となったフランスを筆頭に、ドイツ、イタリアなどで好成績をあけ、アジアでもシンガポール、マレーシアで興行成績1位を獲得するなど、全世界的に旋風を巻き起こしている。出演は「フィフス・エレメント」「ジャンヌ・ダルク」のミラ・ジョヴォヴィッチ、「ガールファイト」「ワイルド・スピード」のミシェル・ロドリゲス、「クルーエル・インテンションズ」のエリック・メビウス、「ロック・ユー!」のジェームズ・ピュアフォイ。

21世紀初頭、巨大企業アンブレラ・コーポレーションが技術の粋を尽<して地中深くに作り上げた超近代的秘密研究所ハイブ。ここで開発中のウィルスが何者かの手によって空気中に漏洩するという事件が発生した。メインコンピューターは汚染が地上に拡大するのを防ぐために研究所を封鎖。これによって500名以上の所員の生命が失われた。アンブレラ社はコンピューターをシャットダウンするために、少数精鋭の特殊部隊を派遣。だが、ハイブに進入した彼らを待っていたのは、ウィルス汚染によって見るも無残な生ける屍“アンデッド”と化した所員だった!!

ゲーム版の世界観を継承しながらも、まったく新しいキャラクターによるオリジナル・ストーリーで、ゲームファンにもゲームを知らない観客にも広くアピールするエンタテインメント映画に仕上がっている。構成は主人公たちと観客が同じ立場に立ち進行していき、徐々に内容が分かっていくスタイル。様々な仕掛けが用意されているので、あまり情報を詰め込まないで鑑賞あれ。

オフィシャルサイト: http://biohazard-movie.jp/biohazard/

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2002年9月2日 by p-movie.com

オースティン・パワーズ ゴールドメンバー

このおバカは誰にも止められないっ! ★★★★☆
[02/米]1h35 8月24日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー

製作:ジョン・リヨンズ/マイク・マイヤーズ
製作:エリック・マクリード/スザンヌ・トッド/ジェニファー・トッド
監督:ジェイ・ローチ
脚本:マイク・マイヤーズ/マイケル・マクリース
出演:マイク・マイヤーズ ビヨンセ・ノウルズ マイケル・ケイン ヴァーン・トロイアー セス・グリーン
カメオ出演:トム・クルーズ グウィネス・パルトロウ ケビン・スペイシー ダニー・デヴィート スティーヴン・スピルバーグ ジョン・トラボルタ ブリトニー・スピアーズ クインシー・ジョーンズ
共同配給:ギャガ・ヒューマックス
宣伝:ギャガ・コミュニケーションズ

[超豪華スター続々登場!:Austin Powers in Goldmember 全米公開2002/7/26]
おバカパワー炸裂のオースティン・パワーズ・シリーズの第3弾。今回の舞台は、えっ日本? そして又もやタイムスリップだ。出演は御馴染みマイク・マイヤーズ、今回は1人4役に挑戦。オースティン・ギャルにはグラミー受賞でギネスブックにも載ったスーパーユニット、デスティニーズ・チャイルドのビヨンセ。オースティン・パパには、60年代のスパイもの「国際諜報局」でオースティンの元ネタとも言えるハリー・パーマーを演じていた元祖スパイ俳優、サー・マイケル・ケイン、ほかイーブルの息子のセス・グリーン、ミニ・ミーのヴァーン・トロイヤー、イーブルの腹心の部下ナンバー2のロバート・ワグナー、英国情報局局長のマイケル・ヨーク、イーブルの部下ミンディー・スターリングと御馴染みのメンバー。監督も引き続きジェイ・ローチ。

今回のDr.イーブルの世界征服計画は、隕石を誘導して地球の氷を溶かして水没させようという計画。だが、オースティンによりイーブルはあっけなく捕まってしまう。しかし今度は、オースティンのパパが誘拐されてしまう。犯人は謎の悪党ゴールドメンバー。パパを救うべく1975年へタイムスリップしたオースティンは75年当時の公私に渡るパートナー、フォクシー・クレオパトラとゴールドメンバーに立ち向かうが、逃げられてしまう。その頃、イーブルは脱獄してゴールドメンバーと日本で落ち合っていた。クレオパトラと現代に戻ったオースティンは日本へ向かう。そして、いつもの宿命の対決と同時に、オースティンとイーブルの出生の秘密も明らかになる。

日本で1作目の公開はミニ・シアターでこっそりだったが、2作目が全米で「SW:1」と争ったことが話題なりあっという間に人気爆発。そして今回の3作目の舞台は何故か日本。今年の夏休み映画はあまり勢いがよくないが、これで起爆剤になるか?。何といっても驚くのが、オープニングのカメオ出演達。このシーンだけでも充分入場料を払う価値あり。中身は相変わらずのパロディと下ネタに、訳が分からないシーンのオンパレード。この分だとシリーズは、まだ続きそう。その前に劇中作品のほうが見たいけど。ゴールドメンバーが、1975年に経営している「スタジオ69」は実際にあった「スタジオ54」と言うディスコのこと。これを舞台にした青春ドラマ「54 フィフティ★フォー」で、経営者に扮しているのもマイク・マイヤーズです。

オフィシャルサイト: http://www.austinpowers-gold.jp/

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2002年8月25日 by p-movie.com

クライム・アンド・ダイヤモンド

過去の名画へオマージュを捧げた作品 ★★★★☆
[00/米]1h32 8月10日よりシネマメディアージュほか全国順次ロードショー

製作総指揮:ダニエル・ダイヤモンド
監督:クリス・バーウェル
脚本:クリス・バーウェル
出演:クリスチャン・スレイター ティム・アレン リチャード・ドレイファス ポーシャ・デ・ロッシ
配給:ギャガコミニュケーションズ
宣伝:トライアル ギャガコミニュケーションズ宣伝第3グループ

[サスペンス、コメディ、ロマンスなどを絶妙にミックス:WHO IS CLETIS TOUT?]
クライムサスペンス、コメディ、ロマンスなどの様々な要素を絶妙にミックスして過去の名画へのオマージュを捧げた作品。監督・脚本のリス・バー・ヴェルは劇場用長編映画デビューだが、往年の犯罪映画の様相を呈し、あるときはロマンティックな名画の雰囲気を醸しだす。セリフや映像として随所に現れる過去の名画の引用からは、彼の映画への愛情が感じさせられ、集まったメンバーは「ウインド・トーカーズ」のクリスチャン・スレイター、「ギャラクシー・クエスト」のティム・アレン、「陽のあたる教室」のリチャード・ドレイファス、「アリー・myラブ」クールな弁護士のポーシャ・デ・ロッシ、「3人のエンジェル」の強烈なドラッグ・クイーンのルポール。

場末のホテルの一室、椅子に縛り付けられたトレバー・フィンチは、古い名画ファンの殺し屋 毒舌ジムに捕まっていた。ジムは、“いい話”を聞かせてくれたら命を助けてやると約束する。絶体絶命の危機の中、フィンチは、刑務所で知り合ったマイコーと連邦刑務所を脱獄する話を始める。 2人の目的は、マイコーが25年前に盗み出して、片田舎に埋めた大量のダイヤを掘り返すことだった。だが、ダイヤは驚いたことに 25年の間に作られてしまった刑務所の庭に埋まっていた。フィンチは自分の命を狙う殺し屋から逃れ、ダイヤも手に入れる為の計画を思いつく。マフィアの殺人に関する重要参考人として刑務所に逃げ込むのだ。そしてダイヤ奪回は成功したが、殺し屋に捕まってしまったのだ。果たして殺し屋には、この話は“いい話”なのか?

何と言ってもこの作品の面白さは、古い名画ファンの殺し屋 毒舌ジムにつきる。フィンチが話を始めると舞台がNYだとロケが高くつくとか、回相シーやサイド・ストーリーが必要だとか、まるで何処か大手のプロデューサーのよう。そして事あるごとに名画のセリフを引用する。これが「脱出」「レベッカ」「深夜の告白」「ラスト・シューティスト」「天国から来たチャンピオン」「愛と追憶の日々」「マルタの鷹」「サンセット大通り」「特攻大作戦」「ティファニーで朝食を」。ラストは「雨に唄えば」のパロディも登場する。でも一番笑えるのは、スレイターに向かって、「お前は、○○に似てるな」のセリフかな。

オフィシャルサイト: http://www.gaga.ne.jp/crime-diamond/

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2002年8月9日 by p-movie.com

イン・ザ・ベッドルーム

愛とは、正義とは、そして夫婦とは・・・ ★★★☆☆
[01/米]2h10 8月3日より日比谷シャンテほか全国順次ロードショー

製作:グラハム・リーダー、ロス・ケイツ、トッド・フィールド
原作:アンドレ・デュバス
監督:トッド・フィールド
脚色:ロブ・フェスティンガー、トッド・フィールド
出演:トム・ウィルキンソン シシー・スペイセク ニック・スタール マリサ・トメイ ウィリアム・マポーザー
配給:ユナイテッド・インターナショナルピクチャーズ ファー・イースト
宣伝:UIP映画

[予測できない奥行きのある物語:IN THE BEDROOM 全米公開2001年12月25日]
アカデミー賞主要5部門ノミネートされ、本年度ゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞をシシー・スペイセクが受賞したインディペンデント作品。出演は。「キャリー」から「ロンリー八ート」まで5度もアカデミー賞にノミネートされ、「歌え!ロレッタ愛のために」で見事オスカーを手にしたシシー・スペイセクと、イギリス出身ながら「フル・モンティ」「恋におちたシェイクスピア」でハリウッドでも引っ張りだこになったトム・ウィルキンソン、「いとこのビニー」「ハート・オブ・ウーマン」のマリサ・トメイ、12歳のとき「顔のない天使」でメル・ギブソンの相手役を務めた、「シン・レッド・ライン」のニック・スタール、「M:1-2」「マグノリア」のウィリアム・マポーザー。監督は「アイズ・ワイド・シャット」などで知られるベテラン俳優のトッド・フィールド。

ニューイングランド、メイン州の小さな町。マット・ファウラーは開業医で、妻ルースは合唱隊の教師をしている。夏休みで帰省している一人息子のフランクは、幼い2人の子供がいる年上の女性ナタリーと愛し合っている。しかし、彼女とよりを戻したい夫リチャードは離婚に応じず、度々彼女の家にやって来る。そして、短い夏が終わりに近づいたころ、彼らは思いもよらぬ悲劇に見舞われる。

悲劇に直面した時、初めて鮮明になる夫婦の関係。お互いをいたわり合うように見えて、いつの間にか歯車が狂い、溝が深まっていく。妻は心を閉ざし、今この時をやり過ごすことだけを考え、夫はそんな妻にどう対応すればいいのかわからない。ある時、彼らは正直な気持ちを、ぶつけ合う。そして、やがて本来の自分を取り戻し、再び絆で結ばれる。しかし、それは以前のように幸せな家族の形ではない。その豊かで奥行きのある物語が醸し出すサスペンスは一級のミステリーのように画面に緊張感をみなぎらせる。そして同時にここで描き出されることのすべてがリアルに映る。事件に直面した人たちの心理を丁寧に描きながら、息詰るほどの緊迫感があるのは、ベテラン俳優のなせる技。見応えアリ。

オフィシャルサイト: http://www.uipjapan.com/bedroom/index.htm

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2002年8月3日 by p-movie.com