困った書けない、どうしよう ★★★☆☆
[02/米]1h55 8月23日より東劇&シネマライズほか全国順次ロードショー
[製作]エドワード・サクソン ヴィンセント・ランディ ジョナサン・デミ
[原作]スーザン・オーリアン(早川書房刊)
[監督]スパイク・ジョーンズ
[脚本]チャーリー・カウフマン ドナルド・カウフマン
[出演]ニコラス・ケイジ メリル・ストリープ クリス・クーパー ティルダ・スウィントン マギー・ギレンホール
[配給]アスミックエース
[宣伝]アスミックエース
[奇想天外ムービー:Adaptation 【PG-12】]
「マルコヴィッチの穴」から3年、再びタッグを組んだ監督&脚本家による又もや摩訶不思議な作品。出演は「ウインドトーカーズ」のニコラス・ケイジが二役、「めぐりあう時間たち」のメリル・ストリープ、「アメリカン・ビューティー」のクリス・クーパーがアカデミー助演男優賞受賞、「ザ・ビ-チ」のティルダ・スウィントン、「セクレタリー」のマギー・ギレンホール。
「マルコヴィッチの穴」の脚本で大成功を収めたチャーリー・カウフマンは、スーザン・オーリアンの著作、「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」の脚色を依頼される。それは、フロリダで蘭を不法採取した栽培家ジョン・ラロシュを追いながら人々を掻き立てる“情熱”を体験したい願う著者自身の願望を描いたベストセラーだった。しかしアイデアがまとまらないチャーリーは脚本を書き上げられず、行き詰まってしまう。一方、同じく脚本家を目指していた双子のドナルドは、脚本家養成セミナーに参加して感銘を受ける。しかも意外なことにドナルドの脚本は順調に完成、新進脚本家が誕生する。チャーリーはドナルドを小馬鹿にしていたにもかかわらず、たとえそれが彼には全く価値のない作品であったとしても、ドナルドが評価を得たことに苦々しい思いを爆発させる。しかしチャーリーはそうした苦悩の末、ついには脚本に自らを登場させるという突飛なアイデアを思いつく。そうしてスーザンに会いに行こうと決心したところから現実とフィクションが交錯し、事態は思わぬ方向へと転がっていくことになる。
チャーリー・カウフマンが「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」の脚色を依頼されるが書けずに、その状態を活かして書いた脚本の映画化。本来ならば原作の主人公ジョン・ラロシュの物語が描かれるはずが、主人公はチャーリー・カウフマンになり双子の弟(実際にはいないというウワサ)まで登場する。インディペンデント作品でも描かないような業界の内輪話で始まり(「マルコヴィッチの穴」の撮影風景もあり、出演者も登場)、あっと驚くハリウッド流アクションになり急転直下で落としてくれる。こういう作品が、評価されるのも珍しい。でもアカデミー助演男優賞受賞は、「めぐりあう時間たち」のエド・ハリスに挙げて欲しかった(古い話で失礼)。最初はミニシアターでの公開だったが、急遽全国公開が決まった。
オフィシャルサイト: http://www.adaptation.jp/