忘れかけていた大切な家族の絆を思い出させてくれる ★★★★☆
[99/中]1h30 6月8日よりシャンテシネほか全国ロードショー
製作:ユー・ジーユエン、タイ・ズーホイ、リュウ・イー
監督:スン・ジョウ
脚本:リュウ・ホン、スン・ジョウ、シャオ・シャオリー
出演:コン・リー ガオ・シン シー・ジンミン グアン・ユエ ユエ・シウチン
配給:ムービーテレビジョン
宣伝:ムービーテレビジョン
[厳しくもぬくもりのある親子関係を綴る作品:Breaking Silence 漂亮媽媽]
「活きる」と同じくコン・リーが、障害を持つ子供と一緒に逞しく生きていく生活を描いた感動作。この作品でコン・リーは、第24回モントリオール国際映画祭で最優秀女優賞に、第10回中国百花賞では最優秀主演女優賞に輝いた。息子役には、幼いころの医療ミスが原因で耳が不自由になってしまった本当の聾者ガオ・シン。監督は1977年に映画会社に入社して以来、キャメラマンとして多くのテレビや映画作品に参加、数々の栄誉ある賞に輝き、その後「コーヒーに砂糖を」で監督デビュー。「心の香り」では金鶏賞最優秀監督賞、撮影賞、録音賞を受賞し、各国の映画祭でも絶賛されたスン・ジョウ。
中国の大都市・北京。リーインは、ひとり息子の名はジョン・ダーと二人暮し。夫はタクシー運転手をしているが、息子の聴覚に障害があることを理由に去っていった。折りしも世の中は改革開放政策のひずみで何をするにもお金に振り回される次第。リーインは「息子は補聴器を付けている以外、他の子と変わらない」と、気丈にもジョン・ダーを小学校の入学試験に合格させようと大奮闘。けれど運命は健気に生きる母と息子の味方に容易くなってくれようとはしない。次から次へと立ちはだかる難題に、母と息子は力を合わせて生き抜いていこうと誓う。困難を乗り越える度に強さを増していくリーイン。生きていくためにリーインは息子と二人で生き抜く覚悟を決める。それは、勇気をもって試練を乗り越える親子の絆を深める旅の始まりでもあった。
聴覚に障害のある息子と共に生きる母と息子の厳しくも温もりのある親子関係を綴り、家族関係の希薄さが問われる時代だからこそ、忘れかけていた大切な家族の絆を思い出させてくれる作品。ぜひ一人暮らしをしている方には見て欲しい。不慮の事故で亡くなってしまった父親の事を息子に教えようとするシーンには涙もの。中国の厳しい社会情勢も見えてくる。
オフィシャルサイト: http://www.movietv.co.jp/product/kirei.html