史上最大の篭城事件 ★★★★☆
[02/日]2h13 5月11日より丸の内東映ほかにて全国公開
製作:原 正人
原作:佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘」事件』(文藝春秋刊)
監督:原田眞人
脚本:原田眞人
出演:役所広司 宇崎竜童 伊武雅刀 藤田まこと 天海祐希 椎名桔平 遊人
配給:東映(株)
宣伝:東映(株)映画宣伝部
[史上最大のかつてない激烈な攻防:THE CHOICE OF HERCULES]
日本中を戦慄させた「あさま山荘事件」が遂に映画化。監督・脚本は骨太な人間ドラマには定評のある原田眞人。新たにあさま山荘を再現して、エネルギッシュな撮影を敢行する。そして現場で指揮を執る警察庁警備局付監察官・佐々淳行を役所広司が演じ、信頼できる部下の宇田川信一には宇崎竜童、長野県警本部長には伊武雅刀、佐々の妻の幸子には天海祐希、カミソリ後藤田の異名をとる後藤田正晴警察庁長官には藤田まこと。個性あふれる大勢の俳優陣による熾烈な光景がスクリーンに炸裂する。
1972年2月19日、日本中を戦慄させたあさま山荘』事件。全国で金融機関の襲撃や、爆弾テロを次々と繰り返してきた連合赤軍の兵士たちが、雪と氷に閉ざされた軽井沢の別荘地に突如として出現。「さつき山荘」で機動隊員と壮絶な銃撃戦を繰り広げたのち、河合楽器の保養所である「あさま山荘」に、管理人の妻を人質にして立てこもったのだ。それが国民の9割をテレビに釘つけにした史上最大のろう城事件である。警察本部は28日午前10時を期して強行突入することを記者達に明らかにした。9時45分、TV各局の報道特別生中継が開始された。全国民の動きを完全に止めた10日間にも及ぶ攻防戦の道程は果てしなく長かった…。だが、突入作戦が9時間にも及ぶ更に困難な長丁場になるとは、誰も思いはしなかった…。
正月に公開された「光の雨」は、連合赤軍を描いたが、本作は警察側を描いた作品。あらゆる手を尽くしても犯人の人数はおろか、人質の安否さえもわからぬままの睨み合いを、警視庁と長野県警のいがみ合いに殆んど充ててユーモアをたっぷり入れたエンターティメント作品。原田監督は「金融腐蝕列島・呪縛」と同じく細かいカット割り、今回は「狗神」でも多用した俯瞰まで取り入れて見ている側を飽きさせない演出。(記者会見のシーンと「金融腐蝕列島・呪縛」の証人喚問シーンは全く一緒だ。)残念なのは台詞が聞き取りにくいこと。そしてこの作品、事件をクギ付けになって見ていた世代と、まったく知らない世代では受け止め方が全く違ってくる。
オフィシャルサイト: http://www.toei.co.jp/asamasansou/