いつもあなたのことを思ってました。 ★★★☆☆
[99/中・伊] 1h29 12月30日よりテアトル池袋にて正月感涙公開中
監督:チャン・ユアン
製作:チャン・ユアン
脚本:ユー・ヒュア ニン・ダイ ジュウ・ウェン
出演:リウ・リン リー・ビンビン リー・イェッピン リアン・ソン
配給:K2エンタテイメント
宣伝:K2エンタテイメント
「クレイジー・イングリッシュ」のチャン・ユアン監督が、家族愛をテーマに描いたヒューマン・ドラマ。「あの子を探して」とともに、99年のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)受賞と中国映画のワン・ツー・フィニッシュを飾っている。出演は日本での登場がこれが初だが中国では映画出演が続いているリウ・リンに「赤い薔薇 白い薔薇」のリー・ビンビン。ほかは現実感を出そうと全て映画初出演者で固めている。脚本のひとりニン・ダイは監督の奥様。
16 歳のときに些細な事で血の繋がらない姉を殺してしまったタウ・ランは、17年の禁固刑に服していた。模範囚として特別に仮釈放を許されたタウ・ランであったが、彼女は気が重かった。家族へ手紙を出しても返事が来なかったからである。案の定、家族の迎えがなかったタウ・ランは駅で途方に暮れていると、出身地が同じだった私立刑務所主任のシャオジェと会う。彼女はタウ・ランを故郷まで送り届けることにするが、だがタウ・ランが少女時代に住んでいた家は無くなっていた。タウ・ランは家族との再会を果たして両親と和解することが出来るのだろうか。
今まで社会派の問題作や過激なドキュメンタリー作品などで国内上映禁止処分を受けたりと何かと話題だったチャン・ユアン監督とは思えない、ほのぼのとした作品。だが、残念なのがタウ・ランが服役していたシーンが、ほんのちょっとしかなかった事、この辺が中国映画と韓国映画の違うところだろうか。もう少し服役シーンでの説明があれば、タウ・ランへの感情移入がもっと早くできたと思うのだけど。資料を読んでみるとこの作品が、中国刑務所内部にカメラが入ることを政府に許された最初だという事でこれがまだ限界だったのだろうか。
でも今回の正月映画の中では、しみじみと感涙できる作品です。