ホワイトアウト

事件は冬の巨大ダムで起こった!  ★★★★☆
[00/日本] 2h09 8月19日より日劇東宝ほか全国東宝系拡大ロードショー

原作・脚本:真保裕一
監督:若松節朗
出演:織田裕二 松嶋菜々子 佐藤浩市 吹越満
配給・宣伝:東宝
配給協力:日本ヘラルド映画

「踊る大走査線」よりも以前に映画化を望んだ織田裕二に、原作者自身が脚本を書き上げたベストセラー小説の完全映画化。40年振りの暖冬で雪が降らず、一時は製作を断念せざるえない状況までいったが、中止決定のリミット2日前から7日間雪が降り続き、これまでの日本映画にないアクション超大作に仕上がった。監督は「振り返れば奴がいる」「お金がない!」「正義は勝つ」と織田裕二主演ドラマのほとんどを手掛けている若松節朗。ちなみにホワイトアウトとは気象上の用語で、吹雪で発生したガスや舞い上がった雪や雲の乱反射が原因で空間が白い闇となり方向や距離が分からなくなる現象。

日本最大の貯水量を誇る新潟県奥遠和ダム。見渡す限り白銀に覆われたダムで運転員の富樫(織田)と吉岡は猛吹雪の中を遭難者救助していたが、途中で吉岡が負傷して富樫は一人で応援を呼ぶために下山する。が、ホワイトアウトにより視界を奪われてしまう。翌朝、吉岡は遺体で発見された。それから2ヶ月後吉岡の婚約者千晶(松嶋)がダムを訪れにやって来る。ダムでは富樫が千晶に吉岡の遺品であるコンパスを渡そうと待っていたが、テレビのクルーに扮したゲリラグループ「赤い月」にダムを占拠されてしまう。新潟県警に突然無線が入った。リーダーの宇津木(佐藤)はダムの職員を人質にとって政府に50億円を要求、拒否すれば人質を殺し、ダムを爆破して下流域の住民20万世帯を激流に飲み込ませると言った。ダムへ行く道を爆破し、外部からの進入も不可能となった今となって、ただ一人逃げおおせた富樫は亡き友人の婚約者を救うためにダムに戻っていく。

織田裕二は雪山のダムを凍傷になってもおかしくないくらい行き来して、佐藤浩市も楽しそうに悪役を演じ松嶋菜々子も体を張って頑張っている。テロ集団のダム乗っ取りの展開や県警の所長が事件の謎を暴いていくのも抜群。クライマックスはかなり無理があるが、織田裕二は「踊る大走査線」に続いて男のロマンを貫いている。


カテゴリー: 日本 | 映画レビュー

2000年8月21日 by p-movie.com