音楽のミューズが恋と夢を叶えてくれる ★★★★☆
[99/仏・スペイン] 1h40 8月12日よりシネスイッチ銀座にてロードショー
監督・脚本:ジョイス・シャルマン・ブニュエル
出演:ヴァンサン・ルクール クリスティーヌ・グゥ
配給:コムストック/キネティック
宣伝:キネティック
ヴィム・ヴェンダース監督の音楽ドキュメンタリー「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」の大ヒットにより、ブレイク中の情熱的でノスタルジックなキューバ音楽映画がまたも登場。ラテン音楽に魅了されたフランスの若き天才ピアニストと、サルサにより思いがけないもう一人の自分に気付いたキューバ生まれのパリジェンヌの恋と情熱の物語。出演は「フランス横浜映画祭」で来日して叶姉妹に挟まれていたヴァンサン・ルクール。
クラシック音楽の世界で将来を有望視されていた若き天才ピアニストのレミはラテン音楽に魅了され、音楽学校を飛び出して知り合いのキューバ・バンドに参加させてほしいと頼むが、お客が望んでいるのはチョコレート(黒人)で、レミはバニラ(白人)だからと断られてしまう。しかし、諦めきれないレミは自分の肌をチョコレート色にしてモンゴという名前でパリっ子向けにサルサのダンスレッスンをする仕事を得る。そのダンスレッスンでお堅い家庭に育ったナタリーと出合う。ナタリーは高級官僚と婚約している地味なパリジェンヌだが、サルサの魅力に取りつかれセクシーで美しく大胆になっていく。ナタリーはサルサコンテストの人種混合部門に出場するためにレミにパートナーになって欲しいと誘うが、エントリーにはIDカードが必要だし、ナタリーに惹かれているのはモンゴとしての自分であるのだが、レミはナタリーになかなか本当のことを言えない。
主人公が別人に変身するというストーリーは最近流行しているし、地味な女性が情熱的なラテンの女性に変わって行くというパターンは予想通りだが、そんなことはお構いなし。音楽映画はノリがよくて楽しければOK。「ナビィの恋」のような、おじいちゃんとおばあちゃんの恋のエピソードもあり、幸せな気分にさせてくれる。