禁断の書が誘う究極の恐怖迷宮 ★★★☆☆
[99/スペイン・仏] 2h13 6月10日より丸の内プラゼールほか全国松竹洋画系にてロードショー
制作・監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジョニー・デップ エマニュエル・セイナー レナ・オリン フランク・ランジェラ
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝:メディアボックス
「ノイズ」「スリーピー・ホロウ」「GO GO L.A」に続き、今年4本目のジョニー・デップの作品は「ローズマリーの赤ちゃん」「チャイナタウン」のロマン・ポランスキーと組んだオカルト・サスペンス映画。共演は「蜘蛛女」のレナ・オリンとポランスキーの恋人で「赤い航路」「フランティック」のエマニュエル・セイナー。
幅広い知識に鋭い観察眼でほかを出し抜く機動力を備える本の探偵ディーン(デップ)は、ある出版社の社長から仕事を依頼される。17世紀の悪魔書「ナインスゲート」を手に入れたので残りの現存している2冊を探し出して、3冊すべてが本物かどうか鑑定してほしいという依頼だった。社長からナインスゲートを借りたディーンは早速調査を開始する。そして社長に本を譲った人物が謎の首吊り自殺を遂げていたのを知り、本屋を営む友人にナインスゲートを預けるが、友人は本に挿入されている版画と同じ奇妙な姿で殺されてしまう。隠し場所を知っていたディーンは本を持って、2冊目があるスペインへ向かう。本の持ち主に会ったディーンは2冊のナインスゲートを調べて版画のサインが微妙に違っているのに気付く。調査のあとホテルに戻ったディーンは以前に図書館で出会ったブロンド女性(セイナー)と遭遇して、彼女に導かれるまま本の持ち主の屋敷を再訪すると持ち主は殺され、本は挿し絵の版画が破り獲られてほぼ燃え尽きていた。ディーンは最後の1冊を所有している持ち主に会いにパリに向かう。しかし、そこでも同じような出来事が待っていた。そしてナインスゲート(9番目の扉)は彼の到着を静かに待っていた。
主人公の探偵が、依頼を引き受けて調査をしていくうちに関わった人物は謎の死を遂げていき、遂には本人が何ものかに命を狙われて、それをまた謎の美しい美女が助ける。というサスペンス映画のお手本のような作品。依頼が悪魔の書なので、結末はどうなるかが想像つくだけにラストにたどり着くまでがちよっと長い。謎のブロンド美女の正体が最後まで分からなかったのがラストまで期待を持たせてくれる唯一の救い。それにしても、この手のサスペンス作品にレナ・オリンはハマリすぎ。
(気まぐれ飛行船)