自分の人生、主役が出来るのは自分だけ ★★★☆☆
[99/米] 2h01 5月20日より有楽町スバル座にてロードショー
製作・監督・脚本:ウィラード・キャロル
出演:ショーン・コネリー ジーナ・ローランズ アンジェリナ・ジョリー ライアン・フィリップス マデリーン・ストウ デニス・クエイド ジリアン・アンダーソン
配給:ギャガ・ヒューマックス
宣伝:樂舎
ショーン・コネリーをはじめ、豪華なスターたちの出演による都会的なタッチで見つめた感動のヒューマン・ドラマ。今年は「マグノリア」の影響からか人間群像ものの公開が多いようだが、この作品は夫婦・恋人家族・友人と繋がりの関係は深い。 TVプロデューサーのポール(コネリー)と料理研究家のハンナ(ジーナ)は結婚生活40年目を迎えるおしどり夫婦。ロサンゼルスの豪華な家に住み幸せに暮らしていたが、ある日ハンナは夫が今でも大切にしている写真を見つけ、ポールが以前に仕事を通じて知り合った女性を愛していたことを知ってしまう。
ナイトクラブの騒がしい中でジョーン(アンジェリナ)は恋人と別れ話をしていた時に、コインを貸してくれたキーナン(ライアン)と出会い思いを寄せるようになる。だがキーナンはなかなか心を開いてくれない。しかしジョーンの熱い情熱に、彼は新しい人生を歩む気持ちになる。
夫のことを”ルームメイト”だというグレイシー(マデリーン)は妻子持ちの牧師ロジャーと目下浮気中。セックス以外の感情は持ち込まないクールな関係を続けてきたがロジャーは、それだけでは満足できなくなっていた。妻が死に仕事も失ったとバーで自分の身の上話をするヒュー(クエイド)。実は彼の話は全て作り物で、演劇の即興教室での課題をこなしているだけだった。しかし、彼はこの日課になってしまった即興が実生活の嘘よりも上手になってしまった事に怖くなってしまう。
舞台演出家のメレディス(ジリアン)は、昔の夫が同性愛に走ってしまって以来、恋には臆病になっていた。彼女のルームメイトは大きな犬だけ。ある時仕事先で知り合った離婚歴のある建築家のトレントにデートに誘われて自宅にディナーを用意して招待するが、口論になってしまう。しかし、トレントは優しくメレディスを包み込み、ふたりの関係は静かに変化してゆく。
愛というものを言葉で表現するのは、なかなか難しいものであるために喧嘩をしたり、お互いがギクシャクしたり・・・なんて事はよくあること。そういったごく普通のラブストーリーの中で11人がそれぞれの幸せを求めて、それぞれが主人公を演じているので、「あっ、私に似ている!」という登場人物が見つかったり、「その気持ちわかるー」なんて感情移入ができると思う。それぐらい何処にでもいそうな身近な人物たちであり、身近で起こっているような大人のストーリー。そして全く関係ないと思われる登場人物の間に、話が進むに連れて関連性が見えてくるところが面白い。