背中から始めて、脳でイク ★★★☆☆
[99/米] 1h37 4月29日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹洋画系にてロードショー
監督・脚本:デビッド・クローネンバーグ
出演:ジュード・ロウ、ジェニファー・ジェイソン・リー、イアン・ホルム、ウィレム・デフォー
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝:レオ・エンタープライズ
1回聞いただけでは覚えられそうもない、舌を噛みそうなタイトルは劇中の究極体感ゲームの名前で、内容はヴァーチャル・リアリティー(VR)作品。といってもクローネンバーグだけに普通のものではない。ゲームポッドは両生類の有精卵を培養したバイオテクノロジー製品で、それを脊髄に直接穴を開けて人体に繋いで行うゲーム。そして、自分が何故ゲームをやっているのかに気付かないとゲームが終わらないという。ちょっと初期の「ビデオドローム」を彷彿させてくれる作品。出演は「ガタカ」や今夏公開の「リプリー」でアカデミー助演にノミネートされていたジュード・ロウと「バックドラフト」「ルームメイト」のジェニファー・ジェイソン・リー。
近未来、人々の娯楽は脊髄に生体ケーブルを直結して行うVRゲームだった。そしてゲーム界における最大のスターが美貌の天才ゲームデザイナーのアレグラ(ジェニファー)で、彼女は新作ゲーム「イグジステンズ」の発表会に出席していた。その発表会の最中、ゲームが始まったときに突然ある男が小動物の骨で出来た奇怪な銃を取り出し、プレイ中のアレグラに向かって撃った。アレグラは重傷を負い、ゲーム責任者も凶弾に倒れる。警備員見習いのテッド(ジュード)は責任者に頼まれてアレグラを開場から連れ出した。どうやら反イグジステンズ主義者と名乗るテロリスト達がアレグラの首に賞金を賭けての犯行だったようである。2人は、誰が敵で誰が味方なのか、何が現実で何が非現実なのか、分からなくなってしまう。
アイディアマンのクローネンバーグだけあって、低予算でも(特にゲーム中の画面でも舞台は変わらない)登場するアイテム(いつもの気色悪い物体)や発想などで飽きはしない。しかし、ちょっと製作するのが遅かったようだ。「ザ・フライ」の頃に製作されていれば、もう少し話題になっただろう。