ファンタジア2000

クラッシックとアニメの21世紀的融合 ★★★★☆
['99/米] 1h15 2000年1月1日~5月7日迄東京アイマックスシアターで公開中

[監督] ヘンデル・ブトイ、E・ゴールドバーグ
[製作] ロイ・E・ディズニー
[出演] ミッキーマウス、ドナルド・ダッグ、スティーブ・マーチン、ベッド・ミドラー
[声優] スティーブ・マーティン、B・ミドラー
[配給] ブエナビスタ インターナショナル
[宣伝] マンハッタン ピープル

1940 年に公開された「ファンタジア」が60年振りに最新のデジタル技術と巨大なアイマックスシアターのスクリーンで帰ってきた。「大テノール競演」の指揮者として知られるジェイムズ・レバインが指揮してシカゴ交響楽団が奏でたクラッシックの名曲に合わせ美しいアニメーションの祭典で楽しませてくれる。

今回の作品は7編のアニメーションと前作の名場面「魔法使いの弟子」(ミッキー出演)の復元版、そしてその間に入る各界著名人によるイントロダクション(実写)から構成されている。それぞれが個性とテーマを持ち、素晴らしい出来に仕上がっている。アニメーションにはセリフがないので子供でも充分に鑑賞できる。2番目の交響詩「ローマの松」は飛翔をテーマにクジラの群れが空高く舞い上がる。雲と一緒に空に浮かぶクジラの美しい映像に度肝を抜かれた。極めて独創的でファンタジックな物語である。4番目の「ピアノ協奏曲第2番」は、アンデルセン童話「スズメの兵隊」片足しかないスズメの兵隊が、陰険なビックリ箱人形から美しいバレリーナを救い出す物語。ビックリ箱人形のモデルはジャック・ニコルソンである。7番目は「威風堂々」。主人公はドナルド・ダックで、役柄はノアのアシスタント。ノアの箱船に動物のカップルを誘導するのが彼の仕事なのだが、洪水で愛妻のデイジー・ダッグとはぐれてしまう。最後の「火の鳥」は死と再生をテーマに森の王者であるオオジカに呼び出された水の雫の妖精が、活火山に住む火の鳥に破壊された森を再生しようとする物語で、荒々しい破壊的エネルギーと詩情豊かな森の再生をダイナミックな映像(「もののけ姫」を思わせる)で見せ、壮大なエンディングで締めくくっている。

コンピュータ・テクノロジーという強力なツールの出現で、今回の続編が実現したそうで、3作目は10年もかけずに制作されるそうである。


カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2000年3月27日 by p-movie.com